妊娠中のママの体は、新しい命を育てるためにさまざまな変化が現れます。
つわりやむくみなどのトラブルが起こる人も多いですね。
今回は、むくみを解消するのに役立つカリウムの効能と、カリウムが豊富なレシピをご紹介します。
【むくみはどうして起こるのか】
むくみは血液の循環する力が低下することで起こり、妊娠中だけでなく、すべての人に起こる可能性があります。
運動不足・塩分や水分を過剰に摂ることが引き金になり、体内の水分調整に関わるナトリウムとカリウムのバランスが乱れたり、リンパの流れが滞ることでも起こります。
そのほか、心臓や腎臓・甲状腺の病気などのほか、女性の場合は生理にともなう、ホルモンバランスの崩れも原因となります。
妊娠中は80%近くの方がむくみを経験するといわれ、お腹が大きくなる妊娠後半に症状を自覚する方が多いようです。
翌日までむくみが引かないなど症状が続く場合は、「妊娠高血圧症候群」のような妊婦特有の病気の可能性もあるので、早めに医師に相談しましょう。
【むくみの改善】
妊娠中はいつもよりむくみやすい期間ですが、ポイントを押さえて生活すると、症状の改善が期待できます。
〇無理をすると赤ちゃんにも影響が出るので、休めるときはしっかりと休みましょう。
横になって休むと、血液が循環しやすくなるのでより効果的です。
また散歩などの適度な運動も質のよい睡眠をうながし、出産に向けた体力作りにもなるので、おすすめです。(やり過ぎはよくないので、程度が分からないときは主治医に相談しましょう。)
〇塩分の摂り過ぎは血中成分のバランスを乱し、むくみの原因となります。
塩味のもととなるナトリウムは、塩だけでなく、しょうゆや味噌・ケチャップなどの調味料類のほか、さまざまな食材に含まれます。
特に魚介類はもともとのナトリウム量が高いので、味つけは薄めにしましょう。
出汁などでうま味を効かせる、酢を少し垂らすことで塩味を立たせる、などで減塩でもおいしいと感じます。
〇水分補給は摂り過ぎたナトリウムの排出に役立ちますが、過度の摂取や一度にまとめて摂ることはかえってむくみを引き起こします。
少しずつこまめに水分補給し、白湯や常温のお茶(寒い時期は温かいお茶)などを選ぶと体への負担が少なくてすみます。
【カリウムを多く含む食材】
カリウムは私たちの細胞の中に存在し、血圧の調整・細胞をよい状態に保つ働きをしています。
ほとんどの食品に含まれるので、さまざまな食材から摂ることが出来ますが、
- バナナやキウイフルーツ、アボカド、いちごなどの果実類
- 玄米や押麦(大麦)、オートミールなどの穀類
- さつま芋、里芋などの芋類
- 小豆や納豆などの豆類や豆製品
- ごまやくるみ、アーモンドなどの種実類
- 小松菜、春菊、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、モロヘイヤなどの野菜類
- あじ、いわし、しらす、えびなどの魚介類
- 牛肉や豚肉などの肉類
に多く含まれます。
妊娠中はつわりなどで食べられる食材が限られてしまう時期もありますが、問題ない場合は、いろいろな食材から摂るように心がけると、食事全体のバランスも整います。
それではレシピのご紹介です。
今回は食物繊維も豊富な押麦をベースにしたサラダです。
【押麦サラダ】
<材料(2~3人分)> 調理時間:35分
押麦(乾燥)・・40~45g
A塩・・小さじ1/4
A砂糖・・小さじ1
Aこしょう(粗挽き黒こしょうでも)・・少々
A顆粒コンソメ・・小さじ1/4
A酢・・大さじ2
Aオリーブオイル・・小さじ1
えび(殻つき)・・6尾
パプリカ(赤)・・1/4個
セロリ・・1/2本
きゅうり・・1本
紫玉ねぎ(なければ普通の玉ねぎ)・・小1/4個
<作り方>
- 押麦はサッと洗い、たっぷりの湯に入れる
再沸騰したら、中火で15~20分煮、ザルに上げる - しっかりと水気を切り、熱いうちに合わせたAの半量を絡め、冷ます
- えびはサッと洗い、背ワタを取って小さめの鍋に入れ、水(大さじ1くらい)・塩(分量外・少々)・酒(あれば小さじ1/2くらい)を加えてふたをし、弱火で蒸し煮にする
冷めたら殻をむき、ななめ2~3等分に切る - パプリカ・セロリは7~8mm角に切る
きゅうりは皮をしま目に剥き、縦4等分に切って種を取り、7~8mm幅に切る
玉ねぎは長さを半分に切って薄切りにし、水でサッと洗う - ボウルに(3)・水気を拭いた(4)を入れ、残りのAを回し入れて全体をよく和え、調味料がなじんだら(2)を加え、混ぜる
<ポイント>
- 押麦は熱いうちにドレッシングを絡めることで、中まで味が入り、水っぽさを感じなくなります。
- つわりがあったりすると、食べられない食材もありますので、野菜はお好みのものに変更していただいて構いません。
- 今回は酢を使用しましたが、レモン果汁やライム果汁など、お好みで酸味となるものを変更すると、味に変化が出ますので、お試しください。
いかがでしたか。
出産に向けていろいろな変化がありますが、無理をせずに出来ることから始めましょう。
Text byさゆり/食育インストラクター