妊娠中はおなかの赤ちゃんのことを考えて、いつもより食べ物に対する意識が高まりますよね。
出産まであまりトラブルのない人もいますが、大抵はつわりやむくみなど、妊婦特有の悩みを日々、抱えて過ごす場合が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「あまり食べられない時」の代表的な悩み、「つわり時の食事」と「赤ちゃんが大きくなって食べられない時の食事」についてご紹介します。
【つわり】
妊婦の過半数が経験するといわれているつわり。
つわりが起こるメカニズムはホルモンの急激な変化による体の生理的な反応といわれていますが、はっきりとしたことはまだわかっていないそうです。
においに敏感になったり、吐き気や嘔吐、空腹時に悪化するなど、症状は人それぞれ。
私もつわりを経験しましたが、徐々に症状が強くなっていき、ピーク時は入浴と就寝時以外、ずーっと気持ち悪かったのを覚えています。
つわりは妊娠周期が進むにつれて治まってきますが、なかには出産までつわり症状が出る場合もあります。
嘔吐してしまう人が多いので、体重は減ることが多いですが、食べていないと気持ち悪くなる「食べづわり」と呼ばれる症状では体重が増加することも。
基本的には、何か食べたり飲んだりできていれば、様子を見ていくことが多いのですが、
・ぐったりと寝込んでしまう
・尿の量が減る
・体重が数キロ減少している
といったことがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。
【つわりの時の食事】
つわりが起こる期間は、妊娠4週目から12週目くらいが多いです。
このころの赤ちゃんはまだ小さいですし、ママが妊娠前に体に蓄えてきた栄養で十分育っていけるので、あまり無理せず、食べたいものを食べられるときにとりましょう。
おすすめ食材は、つわり緩和が期待出来るビタミンB6が豊富なバナナや、ちょっと脂質が高めですが、ナッツ類など。
また、さっぱりとした果物類は食べやすいようです。
つわり症状があっても調子がよいなというときは、赤ちゃんの発育に必要な葉酸の多い食材を取り入れて食事をとりましょう。
おすすめ食材は、ほうれん草やブロッコリー、大豆製品、アスパラガス、いちごなどです。
また、吐き気だけでなく、嘔吐の症状がある場合は、水分不足が心配です。
さっぱりとした飲み物や、ノンカフェインのお茶など、好みの飲み物を見つけてみて下さい。
ただし、糖分の入っているものは、母子ともによくありませんので、控えましょう。
ちなみに・・・私は水がダメでしたし、実はつわりのときによく進められる柑橘系もNGだったので、ノンシュガーの炭酸水とノンカフェインの緑茶で水分補給をしていました。
そして、あんなに気持ちが悪かったのに、気がつくとつわりが終わっていました。
体の仕組みは不思議ですね。
16週目くらいまで続いたり、出産まで続く人もいますが、そういった場合は、主治医にきちんと話し、一緒に対処していきましょう。
【赤ちゃんが大きくなって食べられない時の食事】
続いては、妊娠後期の赤ちゃんが成長してきたころの食事の摂り方についてご紹介します。
つわりとは違い、食欲はあるのに食べられないのが妊娠後期です。
食べたい気持ちはあるのだけれど、成長した赤ちゃんに胃が圧迫されて思うように食べられなくなるのが主な原因です。
そのほかの臓器も圧迫されるため、息切れや動悸、尿漏れや頻尿になることも。
1日3回の食事では量が食べられない場合は、食事を複数回に分けて取ると、必要な栄養を摂りやすくなります。
便秘がひどくなることもあるので、食物繊維の多い食材をとり入れたり、出産に備えて鉄分を意識してとり入れるのも大切です。
また、むくみがひどいときには、出産を迎えるその日まで、引き続きカロリーや塩分に気をつけてヘルシーでバランスの取れた食事を心掛けて下さい。
出産間近の10ヶ月目に入ると、赤ちゃんが下の方へ降りていくことで胃の圧迫が軽減されます。
症状が軽くなる人も多いですから、工夫して乗り切りっていきましょう!
いかがでしたか。
妊娠中は体の中でたくさんの変化が起こるので、細かな諸症状が出やすいですし、「自分だけの体ではない」という意識から、通常よりも敏感に反応してしまうこともあるでしょう。
「こんな些細なことを聞いてもよいのかしら・・・。」と思うかもしれませんが、ちょっとした体の変化でも、気になったらぜひ主治医に相談してみて下さい。
私もそうでしたが、相談することで解決策が見つかったり、心配しなくてよくなり、気持ちが軽くなることも多いですよ。
Text byさゆり/食育インストラクター