妊娠は、自分一人の体だったところにもうひとつの命が宿ります。
新たな命を育むには、母体となるママの体も健康的であることが望ましいですよね。
人の体は食べたものから作られるので、日ごろの積み重ねが大切。
そこで今回は、妊娠前に気をつけたい食事のポイントなどをご紹介していきます。
【バランスの良い食事を心がけよう】
健康関係の話でよく耳にする「バランスのよい食事」。
「バランスよく」とは言っても、実際どんな食事がよいのか分からず、つらいですね。
平たく言ってしまえば、「同じものばかりでなく、複数の食材を使った食事を心がける」ことです。
人の体は、いろいろな栄養素で作られているので、偏った食事では健康を維持するのが難しくなります。
アレルギーなど食べると体に影響を及ぼす場合は別ですが、1日の食事の中で、毎回同じ食材を使用するのは避けるようにしましょう。
バランスのよい食事を摂る場合、以下の点も気をつけてみて下さい。
●炭水化物も必要量は摂る
糖質制限などが流行っていますが、脳の栄養として炭水化物はとても大切です。
食べ過ぎに注意して、適量を摂りましょう。
●冷たいものより、常温か温かいものを
冷たいものはおいしいですが、内臓を冷やすことにも繋がります。
内臓が冷えると体に不調が出やすくなるので、冷たいものの飲み過ぎ・食べ過ぎは気をつけて。
●塩分・脂質はおいしいけれど控えめに
外食が多くなると、どうしても塩分や脂質が多くなりがちです。
なるべく自炊を心がけるのが理想的ですが、難しい場合は塩辛いもの、揚げ物やこってりラーメンなどの脂質が多いものは食べる回数を減らしましょう。
●一日三食を心がける
人の体は一度にたくさんの栄養が入ってきてもすべてを使うことが出来ないので、体の中に貯め込むか、貯められないものは体外に排出されてしまいます。
炭水化物や脂質は体に貯め込まれるので肥満に繋がります。
ビタミン類などは、せっかく摂っても必要量以外は外に出てしまうものがほとんどです。
一日三食を心がけ、きちんとした食事が難しい場合でも、必ず何かを口にする習慣をつけましょう。
●自炊でバランスよく
自炊は自身で食材や調味料を購入するので、使用するものが分かりやすいです。
自炊での調理ポイントは「出汁をきかせて薄味に」・「たんぱく源となる肉や魚・卵・大豆製品を交互に使う」・ビタミンやミネラル(カルシウムなど)・食物繊維をしっかり摂る」などです。
【生活スタイルを再確認!】
せっかく食事バランス整えるなら、一緒に自分の生活スタイルも確認してみましょう。
何かと忙しい現代人は、睡眠時間が不足しがちです。
朝は出かけるギリギリまで寝て朝ごはんを抜いている方、帰宅してからストレス解消に深夜までテレビやネットなどを見ている方も多いのではないでしょうか。
「なるべく決まった時間に眠り、起きる、そして三食しっかりと食べる」という規則正しい生活リズムを作ることで、自然とお腹が減り、眠くなります。
また、適度な運動はそれらを促し、体力をつけたりストレス解消にも役立ちますので、出来る範囲でとり入れてみて下さいね。
【妊娠前に摂り入れたい栄養】
妊娠は、もうひとつの命を育てるので、今まで以上にさまざまな栄養が必要となります。
特に、妊娠初期は赤ちゃんの体の主要な器官が作られる大切な時期で、「葉酸」や「鉄」などのビタミン類を多く消費します。
ビタミン類は体の中に貯めておくことが難しい栄養素なので、日ごろから意識してとるとよいですよ。
葉酸はアスパラやブロッコリー、納豆、いちごなど、いろいろな野菜・果物などに含まれます。
鉄は、小松菜やひじき・ほうれん草などの植物性食品のほか、レバーやカキ・赤身の魚などに多く含まれます。
※鉄分を多く含む動物性の食材は、同時にビタミンAも豊富なものが多いです。妊娠初期に過剰なビタミンAの摂取があると、胎児に影響が出る場合があるので、食べ過ぎには注意しましょう!!
いかがでしたか。
妊娠前の食事のポイントは、実は健康な体作りの基本とほとんど同じです。
現在の生活スタイルを急激に変えると、かえってストレスになることもあるので、出来ることから始めましょう。
一番のポイントは、「無理なく・自分のペースで」なのかもしれませんね。
Text byさゆり/食育インストラクター