食物アレルギー別レシピ~卵・乳・小麦不使用 半月餅~

ある日突然発症するアレルギー。
原因はさまざまですが、一度発症すると治すことが難しい疾病です。
なかでも食物アレルギーは、ある特定の食べ物をとることで発症するため、どんなに好きでもその食材を食べることは避けた方がよいでしょう。(食べる場合は、必ず医師に相談してからにして下さい。)

食物アレルギー別レシピでは、食物アレルギーを持つ方も、そうでない方も一緒に食べられるレシピをご紹介します。
今回は、卵・乳・小麦粉不使用の「半月餅」です。

【半月餅】

本来はもち粉に小麦粉を少量入れて作りますが、今回はだんご粉と、とうもろこしを細かく挽いて作ったコーンフラワーを使って作りました。

<材料(作りやすい分量・5個分)> 調理時間:20分
Aだんご粉・・50g
Aコーンフラワー・・15g
A上白糖・・15g
A塩・・少々
A水・・100g
あんこ(粒orこし)・・100g
サラダ油・・・適量

<作り方>

  1. ボウルにAを入れて混ぜ溶かす
  2. あんこは5等分にする
  3. フライパンにサラダ油を入れて熱し、ペーパータオルで余分な油をふき取る
  4. (1)の生地を流し入れ、中火弱でジックリ焼く
  5. 生地の表面が乾いてきたら裏返して30秒くらい焼き、オーブンシートに取り出す
    同様に残りの生地も焼く
  6. 生地の粗熱が取れたら、真ん中にあんこを入れて半分に折りたたむ

<ポイント>
生地は時間が経つと粉類が下に沈みやすいので、使うたびにしっかりと混ぜてからフライパンに入れてください。
最初に生地を5等分にしておくと同じくらいの大きさに仕上げることが出来ます。

乳製品にアレルギーがある方は豆乳ホイップを添えて「クリーム半月餅風」に、大丈夫な方は生クリームのほか、バターを挟んでもおいしいですよ。
お好みでフルーツを入れるのもよいですね。


【栄養】

〇だんご粉
米粉の一種であるだんご粉は、もち米とうるち米が混ざったもので、アレルゲンとなるグルテンが含まれないので、小麦アレルギーをお持ちの方の置き換え食材としても注目されています。
米粉は、体を動かすのに必要な炭水化物をはじめ、たんぱく質も含む良質なエネルギー源なので、成長期の子どもにとって大切な栄養素を含む食材のひとつです。
近年は糖質制限ダイエットが流行していますが、炭水化物(特にブドウ糖)は体だけでなく、脳の栄養源として欠かすことが出来ません
摂り過ぎは肥満や糖尿病などの疾病を引き起こす要因となりますが、不足もまた体に影響しますので、必要量はきちんと摂取しましょう。

〇コーンフラワー
コーンフラワーはとうもろこしの胚乳部分を粉状にした製品です。
たんぱく質や糖質・食物繊維を含み、アフリカや南米では主食として食べられています。
コーンフラワーは米粉同様、アレルゲンとなるグルテンが入っていないので、今回のように小麦粉の代用として使うことも出来ます。
似たものにコーンミールやコーングリッツがありますが、これらは粗さの違いがあるだけで、基本的な精製法は同じです。
細かい順にコーンフラワー・コーンミール・コーングリッツとなるので、用途に合わせて使い分けるといいですよ。

〇小豆(あずき)
あんこに使われる小豆は、たんぱく質や炭水化物・カリウム・カルシウム・ビタミンB1・鉄などさまざまな栄養を含む食材です。
また食物繊維も含むので、便通を調える効果も期待できます。

いかがでしたか。
最近では和菓子を食べる機会が少ない方も増えていますが、簡単に出来るものも多いので、ぜひ挑戦してみてください。
またアレルギー症状が出てしまったら、まずは専門医に相談し、上手に付き合っていく方法を探していきましょう。
混入などを起こさないためにも、身近な人と情報を共有することも大切です。

アレルギーがあっても、工夫次第で見た目や味を近づけることが出来ますので楽しく調理してみて下さいね。

Text byさゆり/食育インストラクター