誰でもなる可能性がある食物アレルギーについて、シリーズでお届けします。
今回は「乳・乳製品」を除去したレシピをご紹介!
中国の縁起の良い食べ物「春餅(チュンピン)」です。
【食材を選ぶ際の注意点】
食物アレルギーの反応がどの程度出るかは個々で差があります。
少しくらい対象食物が入っていても大丈夫という方もいれば、同じ製造ラインで作られていただけでも反応が出てしまう方などさまざまです。
食材を購入する際は、裏などの成分表示をよく読み、自分に合っているか確認して購入し、分からない場合は製造元へ問い合わせたり、医師に相談して下さい。
【食物アレルギーかなと思った時は】
食物アレルギーはアレルゲンとなる食材を食べたあとに皮膚症状(蕁麻疹や皮膚が腫れる・赤くなる)や呼吸器症状(咳や喘息のようなゼーゼーとした息使い)・粘膜症状(口や喉がイガイガしたりヒリヒリする・くしゃみや鼻づまり)・消化器症状(嘔吐や腹痛など)が起こります。
食物アレルギーは食後~2時間以内に症状が出る「即時型食物アレルギー」と「特殊型食物アレルギー」があり、特殊型アレルギーはさらに2タイプに分けられます。
ひとつはアレルゲンとなる食材を食べて2時間以内に激しい運動をすると起こる「食物依存性運動誘発性アナフィラキシー」、そしてもうひとつは特定の野菜や果物を生食すると喉や口の中に痒みや痛みが出たり、唇が腫れる「口腔アレルギー症候群」です。
口腔アレルギーは口腔内に症状が出るのが一般的ですが、中には全身に症状が広がる場合もあります。
アレルギー症状はひどくなると、ショック症状(アナフィラキシー・アナフィラキシーショック)を起こし、命の危険をともなうこともありますので、食事後に違和感を感じた場合は、専門医に受診することをおすすめします。
それではレシピをご紹介します。
【春餅(チュンピン)】
モチッとした食感が特徴の春餅は、中国北部の伝統料理です。
本来は立春の日の行事食ですが、日常の食事の中でも食べられています。
パーティーメニューとしてもおススメです。
<材料(20枚分)> 調理時間:30分(休ませる時間は除く)
<皮>
A強力粉・・125g
A薄力粉・・125g
A塩・・小さじ1/4
湯・・200g
ごま油・・適量
<タレ>
甜麺醤・・大さじ2
砂糖・・小さじ1
しょうゆ・・大さじ1
水・・50ml
ごま油・・少々
<具>
焼豚(市販)・・1パック
サラダチキン(市販)・・1パック
きゅうり(千切り)・・1本分
レタス(千切り)・・適量
人参(千切り)・・1/3本分
長ねぎ(千切り)・・1/2本分
<作り方>
- ボウルにAを合わせ、湯を入れて菜箸でよく混ぜる
- さわれるくらいまで冷めたら、ひとまとめにし、30分ほど休ませる
- (2)を棒状に伸ばして20等分にする
- (3)を5cmくらいの円盤状にし、片面にごま油を薄く塗り、同様に円盤状にした生地を上からのせる
- (4)を麺棒で直径15cmくらいの円形に伸ばし、残りも同様に作る
- フライパンを熱してごま油を薄く塗り、(5)を入れて両面返しながら火を通し、取り出して熱いうちに2枚の生地をはがす
残りも同様に作る
- 鍋にタレの材料をすべて合わせ、混ぜながらトロミが出るまで加熱し、仕上げにごま油を加える
- 皮・具を器に盛り、タレを添える
<ポイント>
- 今回は強力粉と薄力粉を混ぜていますが、「強力粉だけ」・「薄力粉だけ」のレシピもありますので、お好みで調整して下さい。
- 生地を伸ばすときにくっついてしまう場合は、(5)の工程で打ち粉を少々振ると、くっつかずに伸ばせます。
打ち粉には粒子が粗くて粉同士のくっつきが少ない強力粉がおススメです。 - 具は参考ですので、お好みの具をご用意下さい。
【小麦粉】
小麦を主食として食べている国は世界中にたくさんあります。
日本は米文化ですが、米が取れにくい地域では、昔から小麦を使った食品が多く作られています。
日本では小麦粉の分類として大きく分け、強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉の4種類があります。
粉の分類の基準は国によって違う事がありますが、日本ではたんぱく質から出来るグルテンの性質が麺やパン・お菓子作りの際に大きく影響するため、たんぱく質の含まれる量で分類しています。
たんぱく質の量が最も多いのが強力粉、そして準強力粉→中力粉→薄力粉と続きます。
たんぱく質の量が多いほど、パンのような膨らませたいレシピに向いています。
また粘りや弾力も、たんぱく質から出来るグルテンに由来します。
小麦粉のたんぱく質量は、メーカーによってもさまざまです。
普段何気なく手に取っていたかもしれませんが、比べてみると違いがあって面白いですよ。
いかがでしたか。
春餅自体はとても簡単ですので、ぜひ挑戦してみて下さいね!
Text by さゆり/食育インストラクター