アレルゲン除去による栄養対策レシピ~カルシウムを補う家常豆腐~

食物によるアレルギー疾患を持つ方は年々増加傾向にあり、それにともなってアレルゲン除去食なども注目を集めていますね。
このシリーズでは、アレルゲン除去による栄養対策レシピをご紹介します。

今回は、乳・乳製品アレルギーに不足しがちなカルシウムを強化!

【乳製品以外でカルシウムの多い食品は?】

豆腐や油揚げ、納豆などの大豆製品や、骨まで食べられる小魚や殻まで食べられる小エビ、貝類、サバの缶詰、うなぎなどの魚介類に多く含まれています。
また、菜の花、小松菜、モロヘイヤなどの野菜や、ひじき、昆布などにもカルシウムが含まれていますが、カルシウムの吸収率はそれほど高くありません。
食品によってカルシウムの吸収率が異なるため、その吸収を高めるビタミンDやマグネシウム、たんぱく質などと一緒に摂るとよいでしょう。

カルシウムが豊富な厚揚げを使った中華のおかず「家常豆腐(ジャーチャンドーフ)」!

【家常豆腐(ジャーチャンドーフ)とは?】

中国全土で食べられているポピュラーな家庭料理で、もともとは四川地方の料理だったようです。
「家常」は中国語で「家庭的」という意味で、揚げた豆腐とその時にある肉や野菜を一緒に炒めた豆腐料理を指し、家庭によって味はさまざまです。
豆腐・肉・野菜がしっかりとれるので、栄養満点!
ご飯がすすむ一品です。


【厚揚げで家常豆腐(ジャーチャンドーフ)】

<材料(3~4人分)> 調理時間:25分
豚もも薄切り肉・・150g
厚揚げ・・大1枚(250g)
筍(水煮)・・100g
干ししいたけ・・3枚
きくらげ(乾)・・8個
人参・・1/4本
長ねぎ・・1/2本
小松菜・・1/2束(約100g)
しょうが(みじん切り)・・小さじ1
Aしょうゆ・・大さじ1・1/2
A酒・・大さじ2
A鶏がらスープ・・300ml
A砂糖・・小さじ2
Aオイスターソース・・小さじ2
水溶き片栗粉・・適量
サラダ油・・大さじ1/2
ごま油・・小さじ1
酢・・お好み

<作り方>

  1. 豚肉はひと口大に切る
  2. 厚揚げは油抜きをして5cm×3cmくらいの大きさに切る
  3. 筍は3cm長さの薄切りにし、下ゆでする
    干ししいたけ・きくらげはそれぞれ水で戻して水気をしぼり、石づきをとって干ししいたけはそぎ切り、きくらげは食べやすい大きさに切る
    にんじんは短冊切り、長ねぎはななめ薄切り、小松菜は根元を切り落として、4cm長さに切る
  4. フライパンにサラダ油・しょうがを入れて弱火で熱し、香りがしてきたら豚肉を加え、肉の色が変わったら、筍・干ししいたけ・きくらげ・にんじん・長ねぎ・小松菜の茎を入れて強火で炒める
  5. 全体に油がなじんだら、厚揚げを加えてサッと炒め合わせ、Aを加えて煮る
  6. 汁気が少なくなったら小松菜の葉を加えてサッと炒め合わせ、水溶き片栗粉でトロミをつける、ごま油を加えて混ぜ合わせる
  7. 器に盛り付け、お好みで酢をかけていただく

 大人の方は、豆板醤を加えていただくと、ピリッとした辛さでおいしく召し上がれます。

 【気になる栄養は?】

厚揚げは、木綿豆腐を油で揚げて作られます。
そのため、木綿豆腐に比べると脂質・エネルギーは高めですが、たんぱく質は約1.5倍、カルシウムは約2.5倍、鉄は約1.7倍も含まれており、育ち盛りのお子さんが摂りたい栄養素がたっぷり含まれています。
そして小松菜は野菜の中ではカルシウムが多く、干ししいたけやきくらげにはその吸収を高めるビタミンDが含まれているため、合わせて摂ると効果的です。
さらに、仕上げにお好みで酢を加えると、味がさっぱりするだけでなく、酢に含まれるクエン酸がカルシウムの吸収を高めてくれるので、栄養的にも嬉しい効果が期待できます。

いかがでしたか?
家常豆腐は、カルシウム補給ピッタリの栄養素がたくさん詰まっています。
乳製品以外でも工夫をすれば大丈夫!
ぜひ、ご家庭のレパートリーに追加してみてください♪

Text by くまこ/食育インストラクター