アレルゲン除去による栄養対策レシピ④~乳製品アレルギーのためのカルシウムを補うレシピその③~

食物によるアレルギー疾患を持つ方は年々増加傾向にあり、それにともなってアレルゲン除去食なども注目を集めていますね。
アレルギーを持つ方にとって、その食材以外から必要な栄養を摂ることが求められますが、どんな食材を使えばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。

このシリーズでは、アレルゲン除去による栄養対策として、どのような食材を使えばよいか、そしてその中から簡単に出来るレシピをご紹介します。
今回は、日本における食物アレルギー疾患の中でも発症率の高い乳製品にアレルギーを持つ方向けの、カルシウムを補うレシピです。

【食物アレルギーとは】

食物アレルギーは、特定の食物を食べる(皮膚や粘膜に成分が付着・吸収され、起こる場合もあり。)ことによって免疫システムが過敏に反応し、起こります
原因となるアレルゲンは食物に含まれるたんぱく質で、それが体内に入って消化吸収されると、血中でIgE抗体(免疫グロブリンE)というたんぱく質が作られます。
その後、再び同じ食物が体内に入ると、IgE抗体が過敏に反応し、アレルギー症状が現れます。
ひと口にたんぱく質といっても、食材によって構造が違うので、卵のたんぱく質に反応する方や、乳製品のたんぱく質に反応する方などさまざまです。

【カルシウムを効率よく吸収しよう】

カルシウムは丈夫な歯と骨をつくったり、筋肉の働きをサポートする、成長期には欠かせない栄養素です。
体内の吸収率は、ほかのミネラルとのバランスが影響します。
例えば加工食品にはリンが多く含まれますが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害されます。
また、ほうれん草に含まれるシュウ酸や、豆・穀類に多いフィチン酸もカルシウムの吸収を妨げます。
カルシウムを効率よく吸収するためには、ビタミンDを一緒に摂ることが必要です。
ビタミンDは、鮭・いわし・さんま・あじなどの魚、きくらげ・しいたけなどのきのこ、鶏卵などに多く含まれています。
ビタミンDは日光を浴びることによって体内で生成されるため、外に出て体を動かしたり、運動などである程度骨に負荷をかけることも大切です。
ビタミンDのほかにも、骨の吸収を助けるビタミンKやたんぱく質、クエン酸なども一緒に摂るとよいでしょう。


それではレシピのご紹介です。
今回はカルシウムが豊富な小松菜+ビタミンDを多く含むちりめんじゃこを使ったふりかけです。
一緒に入れたわかめやごま、かつお節にもカルシウムが含まれているので、カルシウム補強にピッタリです。

【カルシウムたっぷりふりかけ】

<材料(4人分)> 調理時間:15分
小松菜・・100g
ちりめんじゃこ・・15g
カットわかめ・・1g
白いりごま・・大さじ1
かつお節・・3g
Aしょうゆ・・小さじ1
Aみりん・・小さじ1
A酒・・小さじ1
A砂糖・・小さじ1/2
塩・・少々
ごま油・・大さじ1/2

<作り方>

  1. 小松菜は細かく刻む
    カットわかめは水で戻して、水気をしぼり、細かく刻む
  2. フライパンに(1)を入れ、水分を飛ばすように炒める
  3. (2)の水分が飛んだらごま油・ちりめんじゃこを入れて炒める
  4. パラパラしてきたらAを回しかけ、かつお節・白いりごま・塩を加えて汁気がなくなるまで炒める
  5. (4)が完全に冷めてから、保存容器に入れる

我が家では、子どもたちに大人気!ご飯がどんどんすすみます。
冷蔵庫で4~5日保存できるので、とっても便利です。

カルシウムは成長期のお子さまに欠かせない栄養素のひとつです。
乳製品以外にもさまざまな食品に含まれているので、意識して摂るように心がけましょう。

Text byくまこ/食育インストラクター