離乳食が始まると、我が子の成長を感じるとともに、アレルギーの有無が気になるところですね。
今回は、小麦、乳・乳製品のアレルギーをお持ちの方向け離乳食レシピをご紹介します。
【食物アレルギーとは】
食物アレルギーとは特定の食物を摂取したあと、体内に入ったアレルゲンを介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる反応のことをいい、どの程度症状が出るかは個人差があります。
乳児期に発症した食物アレルギーは、一部の食品(ピーナッツ・そば・ごま・甲殻類など)を除いて自然と治まっていく場合も多くあります。
アレルギーは早期発見、早期治療、重症化を防ぐことが大切なので、「食物アレルギーかな?」と思ったら、まずは専門医の診療を受けましょう。
【食物アレルギー発症リスクのある赤ちゃんの離乳食の進め方 3つのポイント】
①離乳食の開始を遅らせない
以前は、「食物アレルギーのリスクがある特定の食物は、摂取開始を遅らせた方がよい」と考えられていました。
しかし、近年の調査などで「いろいろな食物(月齢に合ったもの)を早めに摂取した方が、食物アレルギーを発症しにくい」との報告もあることから、厚生労働省は、「離乳や特定の食物の摂取を遅らせても、食物アレルギーの予防に繋がる科学的根拠はない」という見解を出しています。
食物アレルギー症状が出ていなければ、通常通り生後5~6カ月を目安に開始しましょう。
ただし、湿疹やアトピー性皮膚炎などがある方は、念のためごく少量(耳かき1杯くらい)から開始し、心配な場合は、事前に主治医に相談すると安心です。
②初めて食べるものは「体調のよい平日の日中」に少量から始める
万が一、アレルギーの症状が出た場合に迅速に対応出来るように、平日の日中に与えるとよいでしょう。
病院の診療時間や休診日を確認しておくのも忘れずに。
③米、野菜などから開始し、白身魚や鶏ささみ、豆腐など順次少量から進める
初めての食材、特にアレルギーを起こしやすい食材を食べさせるときは、その食材を単体で用意し、少量ずつ与えて様子をみましょう。
例えば鶏卵の場合、加熱卵黄→加熱卵白→加熱度の低い卵の順に進めます。
【離乳食でアレルギー症状がみられた場合は…】
当面除去が必要となります。
除去や再開の時期などを含め、自己判断はせず、必ず主治医や専門医と相談の上決めていきましょう。
乳・乳製品や卵アレルギーの除去を行っているお子さんは、成長に必要なたんぱく質やカルシウムなどの栄養素が不足する恐れがあります。
そのため、豆腐や魚・肉・野菜などをバランスよく摂り、栄養を補うようにしましょう。
それではレシピのご紹介です。
【鶏ささみのホワイトシチュー】
小麦、乳・乳製品不使用だけど、コクのある一品。
卵類も入っていないので、卵アレルギーにも安心です。
<材料(9~11カ月の赤ちゃん1人分)> 調理時間:25分
鶏ささみ・・10g
片栗粉・・少々
玉ねぎ・・5g
人参(7~8mm厚輪切り)・・5~10g
じゃが芋(7~8mm角)・・10~15g
サラダ油・・少々
ブロッコリー(小指の先くらいの小房)・・5~10g
A水・・50~60g
A粉末コンソメ・・2g ※赤ちゃん用で小麦・乳、乳製品不使用のものを使用
B豆乳(成分無調整)・・30g
B片栗粉・・1g
B水・・5g
<作り方>
- ささみは繊維を断ち切るように7~8mm角に切り、片栗粉を薄くまぶす
- 玉ねぎは熱湯でやわらかくなるまでゆで、みじん切りにする
人参は熱湯で竹串がスッと刺さるくらいまでゆで、7~8mm角に切る
ブロッコリーはやわらかくなるまでゆでて冷水に取り、水気をふき取る - 鍋にサラダ油を熱し、ささみを入れて炒める
全体が白っぽくなってきたら、玉ねぎ・人参を入れてさらに炒める - 全体に油が回ったら、じゃが芋・Aを入れる
じゃが芋に火が通り、煮汁が半量くらいになるまで煮る - ブロッコリーを入れて1~2分煮たら、Bを入れてトロミをつける
<ポイント>
- ささみは繊維に沿って切ってしまうと、口の中でほぐせず、うまく食べることが出来ないので、繊維を断ち切るように切りましょう。
- Aの水は食材がかたい場合は適宜足してください。
(足した場合は、最初に入れた水の半量程度になるまで、水分を飛ばしてください。) - 赤ちゃんが食べるときにトロミが強いようでしたら湯冷ましでのばしてあげてください。
- 乳製品が大丈夫であれば、牛乳で作って構いません。
いかがでしたか。
片栗粉を増やしてトロミの濃度を強め、オーブントースターなどで少し焼き目をつけてあげれば、グラタン風になります。ごはんを下に入れれば、ドリア風にも出来ますので、いろいろなレパートリーの基本としてお使いください。
Text byさゆり/食育インストラクター