ほろ苦さがたまらない!冬の代表的野菜「春菊」☆

冬の代表的な緑黄色野菜として、鍋料理やお浸しに大活躍する春菊。
小さいころは独特の香りや苦味が苦手だったという方も多いのでは?
今回はそんな春菊についてのお話です。

【春菊の名前の由来と起源】

春菊は、冬が旬にもかかわらず春の菊で「春菊」という名前は不思議ですよね。
実はこの名前、春になると菊のような黄色い花が咲くことからついたといわれ、関西では春菊が菊の葉に似ていることから、「菊菜」と呼ばれています。
春菊の原産地はトルコやギリシャなどの地中海沿岸です。
しかし、欧米では観賞用として用いられ、野菜として最初に利用したのは中国だといわれています。
その後日本に伝わりましたが、現在でも食用としているのは日本や中国、東南アジアなど一部の地域だけのようです。

【苦みを抑える方法】

春菊は苦みが強く苦手という方も多いと思いますが、この春菊の苦みを抑える方法があるのです。
春菊の苦みは、茎よりも葉に多く含まれます
この苦みは、「ポリフェノール」という成分が原因です。
ポリフェノールは、加熱されることにより、細胞が破壊され苦味が増してしまいます生の状態であれば、あまり苦味を感じませんので、春菊の苦味が苦手な方は生で食べるか、短時間加熱がおすすめです。
春菊は鍋に入れたり、ゆでて料理に使ったりと加熱して食べるイメージが強いですが、それ以外の方法でもおいしく食べられるので、ぜひ試してみて下さい。

【春菊の栄養効果】

春菊には、β-カロテンやビタミンB2、カルシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。なかでもβ-カロテンは、ほうれん草や小松菜を上回るほどです。
β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜を保護し、生活習慣病予防に効果的です。
また、β-カロテンは脂溶性なので、油脂が含まれるお肉やゴマと組み合わせたり、天ぷらなどの調理法もおすすめですよ。
また、春菊の独特の香りは、α‐ピネンやペリルアルデヒドなどの香り成分によるものです。
α‐ピネンは、スギやヒノキなどに多く含まれている成分で、抗ウイルス・リラックス効果があるといわれています。
ぺリルアルデヒドはシソと同じ香り成分で、強い抗菌作用があり、食中毒の予防にも効果的です。


【おいしい春菊の選び方】

全体的に鮮やかな濃い緑色で、みずみずしいものが新鮮です。
また、葉にハリのあるものが良品です。
葉が黄みがかっているものや、茎や切り口が褐色になっているもの、茎が太すぎるものは避けましょう。

【春菊の保存方法】

葉はすぐにしんなりとしてしまうので早く食べきるのが一番よいですが、保存する場合は、しっかり水で洗ったあと、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
このとき、できるだけ立てて保存するとより長持ちします。
牛乳パックや細長いプラスチック容器などに入れて保存するのがおすすめです。
また、2〜3日で使い切らない場合はサッとゆでてから冷凍保存することも可能です。

子どものころ苦手だった方も大人になるにつれ、春菊の香りやほろ苦さが好きになる方も多いのではないでしょうか?
冬の代表的な野菜である春菊、ぜひ旬の今食べてみてください。

Text by あお/食育インストラクター