今回は、離乳食もいよいよ大詰めの1歳~1歳6カ月頃の離乳食完了期の赤ちゃん向けレシピです。
ツナを使ってうま味を効かせたサラダをご紹介します。
【ツナ(tuna)】
「ツナ」といえば「まぐろ」を思い浮かべることが多いですが、実は「ツナ=まぐろ」ではありません。
ツナは、スズキ目サバ科マグロ属に分類される魚を総称した呼び名で、かつおなどもツナと呼ぶことがあります。
まぐろなどは生食もしますが、缶詰としての加工も盛んです。
日本のツナ缶は主に「きはだまぐろ」・「びんながまぐろ」・「めばちまぐろ」・「かつお」が使用されています。
「油漬け」・「水煮」・「味付き」などに分けられますが、さらに形状で分類され、大きなほぐし身の「チャンク」・細かなほぐし身の「フレーク」などがあります。
また商品に「ライト」や「ホワイト」という名称が書かれていますが、これは使用する原料による分類です。
「ライト」は原料指定がなく、上記のようなさまざまな魚を使用しているため、比較的安価に作ることができ、スーパーなどで購入しやすい商品です。
「ホワイト」の原料は、「びんながまぐろ」だけです。
まぐろのうま味を存分に感じることが出来るびんながまぐろは、肉質がやわらかで油との相性もよく、さっぱりとした口あたりです。
缶詰は長期保存可能な食品なので、備蓄にもおすすめです。
ちなみに、ツナのことを「シーチキン」という場合がありますが、このネーミングは企業がつけた商品名なので、その企業の商品以外で使用することは出来ません。
【ツナときゅうりの和えサラダ】
コロンとした形に切ったきゅうりは、食べる練習にもおすすめです。
<材料(1人分)> 調理時間:25分
きゅうり・・1/4本
ツナ缶(フレーク・水煮)・・15g ※出来れば食塩不使用のものがよい
ごま油・・少々
Aしょうゆ・・少々
A砂糖・・ひとつまみ
A酢・・ひとたらし
<作り方>
- きゅうりは皮をしま目にむき、縦半分に切って種をとる。
- 熱湯で食べられるくらいのやわらかさになるまでゆで、冷水にとって8mm~1cm角に切る。
- ツナは水気を切ってボウルに入れる。
- (3)のボウルにしっかりと水気を拭きとった(2)を入れ、ごま油を絡める。
- Aを合わせ、(4)に加え混ぜる。
<ポイント>
- きゅうりの切り方は参考ですので、皮を全部むく・薄切りにするなど変えて構いません。量も加減してください。
- ツナは食塩の入っているものを使用する場合、湯をかけるなどしてください。
- そのままでは食べにくいときは出汁で少し煮、トロミをつけると食べやすさがアップします。
【栄養】
原料のまぐろやかつおは、良質なたんぱく質が豊富です。
魚に含まれるIPA(EPA)やDHAなどの脂質は、脳の働きを活発にしたり、記憶力や学習能力などの向上も期待出来るため、成長期のお子さんにおすすめの食材です。
また動脈硬化のような生活習慣病予防にも効果的です。
IPA(EPA)やDHAは酸化しやすいので、ビタミンCやビタミンE・β-カロテンを含む野菜などと一緒に摂ると効率的です。
【離乳食完了期以外での使用方法】
どの月齢も、初めての食材はアレルギーの有無を確認してから使用しましょう。
●初期(5~6カ月)
ツナは、水煮・油漬けともに離乳食初期の赤ちゃんの胃腸には負担が大きいため、使用出来ません。
この時期は、出汁や野菜に慣れたら脂肪分の少ない白身魚やしらす・絹ごし豆腐などをペーストにしたものを与えてみましょう。
きゅうりは、使用出来ない食材ではありませんが、皮をむいて種をとり、やわらかくゆでたものをすり潰すなどしてペースト状にし、与えます。
まずは人参・大根・ほうれん草のようなペーストにしやすい野菜から始め、慣れてきたら取り入れるとよいでしょう。
調味料や油は使用できません。
●中期(7~8カ月)
離乳食中期は舌の前後運動に加え、上下に動かして上あごに食材を押しあてて潰す食べ方が出来るようになってくるモグモグ期と呼ばれるころです。
絹ごし豆腐くらいのかたさのものをつぶすことが出来るようになるので、指で食材を挟み簡単につぶれるくらいのかたさを目指して調理しましょう。
ツナもきゅうりも離乳食中期からは取り入れて問題ない食材ですが、ツナの油漬けは胃腸に負担をかけるので、使用出来ません。
水煮・食塩不使用のフレークタイプを使用しましょう。
フレークタイプでも大きいものもありますので、子どもに合わせて刻むなどしてください。
きゅうりは、皮をむいて種を取り、やわらかくゆでてから粗めに潰したり、刻んで使用しましょう。
しょうゆや塩・みそ・砂糖といった一部の調味料は使用出来るようになりますが、素材の味をいかすことを基本とし、香りづけ程度の使用で十分です。
酢・ごま油はまだ使用できません。今回はツナのうま味もあるので水でも構いませんが、出汁で煮てトロミをつけてあげると食べやすいです。
●後期(9~11カ月)
カミカミ期のこの時期は、歯ぐきを使って食材をつぶしながら食べる練習のころです。
大きさは4~5mm角くらいから始め、後半は6~7mm角くらいにします。
食材のかたさはバナナくらいを目安にしますが、後期に入ったばかりでいきなり食材のかたさがかたくなると、丸飲みや誤嚥の原因となるので、赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう。
ツナは水煮・食塩不使用を使用し、きゅうりは中期同様皮と種をとってやわらかくゆで、食べられるサイズに切って使用します。
中期よりも使える調味料は増えますが、あまり調味料に頼らず、引き続き素材の味をいかした調理にしましょう。
酢は刺激が強いので入れずに作ります。
ごま油は使用できますが、こちらも香りづけ程度にしてください。
いかがでしたか。
味や食感は、まだ大人と同じというわけにはいきませんが、形など、見た目はパパママと同じように出来ることも増えてくるので、取り分けメニューで一体感を出してあげてくださいね。
Text by さゆり食育インストラクター