おかずとしてだけでなく、おやつとしても食べられている大学芋。
外はカリッと中はしっとり。
そんな給食で大人気の大学芋を作ってみましょう♪
【さつまいもの歴史】
秋の味覚の代表ともされる「さつまいも」。
原産地はメキシコを中心とする熱帯アメリカです。
15世紀の終わりにコロンブスによって、ヨーロッパへ伝わりましたが、ヨーロッパの涼しすぎる気候はさつまいもと合わず、なかなか栽培には至りませんでした。
その後東南アジアに伝わり、温かい地域がさつまいもが育つのにぴったりだったことから、広く作られるようになりました。
東南アジアに伝わったさつまいもは、中国へと広がり、1600年ごろ日本の琉球(沖縄県)から、薩摩(鹿児島県)へと伝わりました。
【丸十とは?】
さつまいもは、中国から伝わったという意味で、「からいも」や中国での名所と同じく「甘藷(かんしょ)」とも言われています。
これら以外に「丸十」と言ったりもするのですが、なぜでしょうか?
それはさつまいもの産地、鹿児島県にあります。
江戸時代の鹿児島県は、藩主島津氏の治める「薩摩藩」です。この島津の家紋が「〇(丸)に十」なのです。
もう、お分かりでしょうか?
丸十家紋の薩摩藩の名産がさつまいもであることから、丸十とも呼ばれるようになったのです。
【大学芋ってなぜ「大学」がつくの?】
大学芋の由来についてはいくつかの説があります。
- 東京の神田近辺にある学生街で、大学生が好んで食べていたからという説。
- 昭和初期に大学生が学費を稼ぐために、儲けが出やすいよう、安価な芋を調理して売っていたからという説。
- ある大学の前にふかし芋屋があり、そのお店で売られていたのが今の大学芋によく似ていて、大学生の間で流行っていたからという説。
【さつまいもの栄養】
さつまいもには食物繊維が豊富です。
食物繊維は、腸内環境を整えたり、コレステロール値を低下させる働きがあります。
さつまいもを切ったときに白い液体が出てくるときがありませんか?
これはヤラピンという成分で、腸の働きを促し、食物繊維との相乗効果で、便秘の改善に効果的です。
また皮の部分には、抗酸化作用のある色素成分アントシアニンが含まれています。
そのため、皮ごと食べるのがおすすめです。
切って調理する場合は、すぐに水にさらし変色を防ぎましょう。
【大学芋を作ってみよう】
<材料(2人分)> 調理時間:30分
さつまいも・・・1本
A砂糖・・・大さじ3
Aみりん・・・小さじ1/2
Aしょうゆ・・・小さじ1/3
A水・・・大さじ1
黒いりごま・・・小さじ1/2
揚げ油・・・適量
<作り方>
- さつまいもをよく洗い、皮つきのまま乱切りにし、水にさらす。
- 鍋にAを入れて中火で熱し、少しとろみがつくまで煮詰める。
- (1)の水気をしっかりと拭き取り、180℃の揚げ油に入れ、薄く色づき表面がカリッとしたら取り出し、油を切る。
- (3)を(2)に入れ全体に絡め、ごまをまぶす。
【さつまいもの保存方法】
乾燥と低温に弱いので、冷蔵庫には入れずに、新聞紙に包んで風通しのよい冷暗所で保存しましょう。
使いかけのものは、ラップに包んで野菜室へ入れましょう。
いかがでしたか?
さつま芋の歴史や大学芋の由来について知っていただけたかと思います。
学校給食で人気の大学芋、ぜひ作ってみて下さいね♪
Text by あお/食育インストラクター