「なんだか胃がキリキリと痛い…」と感じたことはありませんか?
そんなときは、食欲も無くなりがちですよね…。
今回は、早く治したい!胃痛の原因や、胃痛時におすすめのレシピをご紹介します。
【そもそも、「胃」にはどんな役割があるの?】
胃は、お腹の中央部からやや上の、みぞおち付近に位置する臓器です。
胃の主な働きは、「食物の消化」です。
胃の粘膜からは、消化する働きのある胃液が分泌されています。
胃液は、「胃酸」「ペプシン」「胃粘液」を含んでいます。
●胃酸
金属も溶かすほどの強力な酸(pH1~2)で、食べ物を消化すると同時に、食べ物と一緒に侵入した細菌のほとんどを殺菌します。
●ペプシン
たんぱく質を分解する消化酵素です。
●胃粘液
胃の粘膜を覆って、胃酸やペプシンからの刺激を防いだり、胃自体が消化されてしまわないように守っています。
通常、胃酸と胃粘液の分泌量は、自律神経の働きでバランスが保たれています。
しかし、何らかの原因でバランスが崩れ、胃粘膜が胃酸の刺激を受けると炎症が起こり、胃痛を引き起こします。
【胃痛の原因は?】
胃痛の原因として、以下のものが挙げられます。
●食べ過ぎやお酒の飲み過ぎ、刺激の強い食べ物の摂り過ぎ
暴飲暴食をしたり、消化しにくいものを食べると、消化に時間がかかるため、胃酸を多く分泌させます。
また、アルコールやタバコなどの嗜好品、香辛料、酸味の強い食品、炭酸飲料のとり過ぎも胃痛を招く原因になるので注意しましょう。
●ストレスによる自律神経の乱れ
自律神経は内臓の働きをコントロールする役割を担いますが、ストレスによってそのバランスが崩れてしまいます。
自律神経が乱れてしまうと、胃や十二指腸の働きが悪くなり胃酸が過剰に分泌されます。
それによって、胃の粘膜が刺激され胃痛の症状が起こります。
●ピロリ菌感染
ピロリ菌感染は、慢性的な胃痛を誘発する危険因子のひとつです。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息し、胃酸から身を守るためにアンモニアを出しています。
このアンモニアによって胃の粘膜は傷つき、それを放置すると慢性胃炎を発症します。
また、慢性胃炎は胃潰瘍・胃がんへと進行するリスクもあるため、注意が必要です。
それらの疾患・症状を未然に回避するには、ピロリ菌の除菌が必要です。
胃カメラ検査によって、感染の有無を確認できます。
食べ過ぎから来る胃痛は一時的なものなので、あまり心配する必要はありません。
しかし、突然激しい痛みが出たり、慢性的な痛みがあるようであれば、胃炎や胃けいれん、胃がんの可能性も考えられるので早めに病院に行きましょう。
【胃痛時の食事のポイント】
●消化のよい食品や調理法を選ぶ
胃の調子が悪いときは、食感がやわらかい、または食物繊維や脂肪が少ない食品がおすすめです。
そして、できるだけやわらかく調理し、油の使用量を少なめにしましょう。
また、熱すぎる・冷たすぎるものは控えましょう。
●胃酸の分泌を促す食品は控える
辛味や酸味、塩味が強い食事や、アルコールやコーヒーなどの嗜好飲料の摂り過ぎは胃に負担がかかるので避けましょう。
【胃痛の時におすすめのレシピをご紹介!】
今回は、胃に優しい1品をご紹介します。
【鶏のあんかけうどん】
<材料(2人分)> 調理時間:15分
鶏むね挽き肉・・150g
しいたけ(みじん切り)・・2個分
ほうれん草・・1/2袋
溶き卵・・2個分
A出汁・・4カップ
A酒・・大さじ2
Aしょうゆ・・大さじ1
Aみりん・・小さじ2
A塩・・小さじ1/3
Aしょうが(おろし)・・小さじ1
ゆでうどん・・2玉
水溶き片栗粉・・適量
<作り方>
- 鍋に挽き肉・しいたけ・Aを入れて弱火にかけ、挽き肉をほぐしながら弱火で5分ほど加熱する。(ときどきアクを取り除いてください。)
- ほうれん草は塩(分量外)を加えた熱湯で20秒ほどゆでて冷水に取り、3cm幅に切る。
- (1)に(2)を入れてサッと混ぜ合わせ、水溶き片栗粉でトロミをつける。
- (3)に溶き卵を回し入れ、卵がふんわり浮いてきたら火を止めてひと混ぜする。
- たっぷりの湯にうどんを入れ、袋の表示通りにゆでる。
- 器に(5)を盛り、(4)をたっぷりとかける。
あっさりとした味わいで、胃痛時でも食べやすい1品です。
うどんはツルッと食べやすいですが、よく噛んで食べることで胃腸への負担が軽くなり、胃腸の働きを正常に保ってくれます。
また、早食いは胃に負担がかかるので、ゆっくり時間をかけて食べるよう心掛けましょう。
胃は、毎日休まずに活動している大切な臓器です。
皆さんも食生活を振り返って、日頃から胃をいたわる食事を心掛けてみてはいかがでしょうか?
Text by ろい/食育インストラクター