離乳食初期・中期と少しずつ形のあるものが食べられるようになってきた赤ちゃんは後期になると使える調味料なども増えてきます。
今回はのどごしのよい卵豆腐レシピをご紹介します。
【離乳食後期(9~11カ月)の進め方】
●栄養補給は離乳食が中心に
中期の離乳食を順調に食べられていれば、2回食を3回食にステップアップしてみましょう。
3回食になると、離乳食が栄養の中心になっていきます。
必要な栄養はエネルギー源の炭水化物・体を作るたんぱく質・体調を整えたり、体の成長を助けるビタミンやミネラル類です。
●栄養のバランスは数日単位でOK
毎食のバランスも大事ですが、食べムラや好き嫌いが出てくるころです。
数日間を通していろいろな食材を食べられていれば構いませんので、ひとつの食材に固執せず、同系統の違う食材に変えてみる・間隔を空けてまた食べさせてみるなどしてみましょう。
あまり気負わず、ベビーフードなども活用しながら楽しく離乳食を進めてください。
母乳を中心に与えている場合、9カ月ころから母乳中の鉄分量がかなり減るといわれていますので、鉄分が豊富な食材(赤身の魚やレバー・ひじきなど)を意識して摂り入れましょう。
●食材のかたさ・大きさ
歯ぐきがかたくなってくるので、それに合わせ、食材のかたさも今までより少しかためにします。
目安としては、「指で軽く押すとつぶれるバナナ」程度です。
大きさは、後期の前半は4~5mm角から始め、後半は7~8mm角と大きくしてみましょう。
薄めのいちょう切りや短冊切りなど、形に変化をつけるのもおすすめです。
慣れてきたら、いちょう切りなどの厚さを5~6mm位にしても構いません。後半は手づかみ食べ出来るような形状も取り入れ、完了期に向けて準備します。
●アレルギー
後期は初期と比べて、食べたことのある食材が増えるので、うっかり初めての食材を与えてしまいやすい時期ともいえます。
引き続きアレルギーへの注意は必要なので、食べたことがある食材か、確認を忘れずに、初めての食材は今まで通りスプーンひとさじ程度から試しましょう。
体調の変化があったときにすぐ対処できるように、病院の診察日の午前中だと、すぐに病院を受診出来、安心です。
それではレシピのご紹介です。
【きのこあんかけの卵豆腐】
つるんと食べやすい一品。
あんかけを具だくさんにしてもおいしいです。
<材料(卵1個分)> 調理時間:30分
【卵豆腐】
卵(Mサイズ)・・1個
牛乳・・大さじ1
出汁・・大さじ3~4
塩・・少々
【あんかけ】
しめじ・・15g
いんげん・・5g
出汁・・3/4カップ
しょうゆ・・数滴
水溶き片栗粉・・適量
<作り方>
- ボウルに卵を割り入れ、しっかり溶きほぐす
- (1)に牛乳・出汁(卵豆腐用)・塩を入れてよく混ぜる
- 耐熱容器に(2)をこし入れ、蒸し器でしっかり火が通るまで蒸す(目安8分~)
- しめじはみじん切りにし、いんげんは熱湯で2分ゆでて冷水に取り、細かく刻む
- 鍋に(4)・出汁(あんかけ用)を入れて火にかけ、沸いたらしめじに火が通り、いんげんがやわらかくなるまで弱火で煮る
- しょうゆを数滴たらして香りをつけ、水溶き片栗粉でトロミをつける
- (3)を切り分けて器に盛り、(6)をかける
【ポイント】
たんぱく源が卵のみの場合、1食で1人1/2個くらいが目安となります。
今回は10cm×10cmの耐熱容器に入れて蒸しました。
かたまる目安時間は火加減や容器のサイズ・卵液の温度によっても変わります。
時間になったら容器を軽くゆすり、動かなければ火が通っています。
今回は作りやすいように1個分にしていますので、お子さんと一緒に召し上がってください。
卵豆腐は卵と出汁の比率が1:1~1.5くらいが目安です。
卵豆腐ではかたい場合は出汁を増やし、茶わん蒸しにしても構いません。
茶碗蒸しにする場合は、卵と出汁の比率は1:3を目安にしてください。
例えば、卵1個を割って50gくらいだった場合の出汁の量は、150mlくらいです。
卵の大きさによって出汁の量は変わりますので、使う卵の重さをはかるとよいですね。
また合わせる出汁の量は1:4くらいまで増やすことも出来ます。
ただし、出汁の量が多くなるほどかたまりにくくなりますので、まずは1:3で作り、お子さんが食べにくそうであれば比率を変えてみましょう。
茶碗蒸しの場合は、火が通ると卵液の表面が均一に動きます。
【卵】
卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含む、栄養価の高い食材です。
体を作るうえで重要な、良質なたんぱく質が豊富です。
さまざまな形状になる卵は、料理だけでなく、おやつの材料としても、とても重宝します。
アレルギーが出やすい食材のひとつですので、初めてのときは卵黄をごく少量から、しっかりと加熱した状態で与えます。
卵黄をある程度食べられるようになったら、卵白もごく少量から与えていきます。
アレルギーの心配がなさそうでも、半熟や生の卵が食べられるのは何年も先の話です。
卵は適正に保管されていた賞味期限内のものを使用してください。
アレルギーだけでなく、食中毒を起こさないためにも毎回十分な加熱を行ってから食べさせてあげるようにしましょう。
使用前に、殻の割れなどがないかも確認すると安心です。
離乳食後期は自分で食べたい意欲も出てくる時期です。
テーブルの周りが散らかってしまうこともありますが、おおらかな気持ちで見守っていきましょう!
Text by さゆり/食育インストラクター