そのたるみ、実は…?骨の健康と美容の関係

骨粗しょう症といえば、主にシニア期に入ってから発症する骨の病気…。
そんなイメージをお持ちの方が多いかもしれません。
でも、骨の健康維持を軽視すると、思わぬところでデメリットがあるかも…?
今回は骨粗しょう症と美容に関わるお話です。

【骨粗しょう症基礎知識】

骨粗しょう症とは、骨密度が低くなり、骨がもろくなっている状態
骨折などの重大な怪我のリスクが高まることで知られています。
閉経後の女性がかかりやすい傾向にあるほか、カルシウム不足が大きな原因のひとつになります。
カルシウムのほかに、骨の形成を促す栄養素も不足なく摂ることで、よりリスクを軽減できます。
骨の材料となる良質なたんぱく質やマグネシウム、そして、カルシウムの吸収を助けるビタミンD・骨の形成を促すビタミンKなどは不足しないように摂りたい栄養素です。
また、適度な運動をとり入れることも、骨の形成を促すことがわかっています。
激しい運動を無理に行う必要はなく、ウォーキングなどの日常的に取り入れやすく、骨に刺激が伝わるものを定期的に続けるとよいでしょう。


【顔や体がたるんできた…?骨の健康と美の繋がり】

加齢とともに意識されがちな骨粗しょう症。
若いうちにはそれほど気にしていない方もいらっしゃいます。
骨の強度を示す骨密度は20代前半でピークを迎えるので、まだ若いうちには健康へのリスクを感じられないのも無理はありません。
しかし、骨粗しょう症はある日突然発症するものではなく、ジワジワと進行してから発覚するものです。
そのため、食事制限ダイエットなどでカルシウムを始めとする栄養不足が続くと、若年層でも自覚しないうちに骨がどんどん痩せ衰えていくことはあります。
そして、骨の健康が維持できないと、美容の面でもデメリットがあります。
なぜなら、骨の健康は見た目の印象にも大きく影響するからです。
骨は内臓を守り、人間の体を支える役割をしています。
そして、皮膚は体の表面を覆う部位。
とても大雑把に考えると、骨が中身の詰まった箱とするなら、皮膚は箱を包む包装紙のような存在と言えます。
では、その箱の形が崩れると…?包装紙はヨレたり、シワができますよね。
人間の体でも同じように、骨が痩せてしまうと、あまった皮膚がたるみ、深いシワの原因になる可能性があるのです。
皮膚のたるみは加齢により起こる場合もありますが、骨も無関係ではないのですね。

マッサージや美容液など、肌をよい状態に保つ方法はあります。
しかし、これらは骨の痩せに対して効果が期待できるものではありません。
そのため、骨の健康を保つことは、美容にも大きなメリットがあるのです。
ちなみに、「骨を強化したら骨太になって太って見えるかも…!?」と心配されることがありますが、その心配は無用です。
骨格は遺伝などの個人差による部分が大きく、カルシウムやたんぱく質をしっかり摂ったからといって、骨格が急激に太くなることはありません。
むしろ、栄養不足で骨がもろくなると、体を支える力が衰え、姿勢が悪くなり、実年齢よりも老けて見える可能性が…!?
女性はもちろん、男性にとっても、姿勢を美しく保つことは、若々しく健康的な印象を保つために欠かせない要素です。
まだ先のこと…とは思わずに、今から骨の健康について考えておくことはメリットがたくさんあるのですね。

【骨の健康に役立つ食品とは?】

骨粗しょう症予防に欠かせない栄養素のカルシウム。
カルシウムの豊富な食品と言えば、まず乳製品が挙げられます。
しかし、乳製品は脂肪の含有量も多めなので、必要なカルシウムを全て乳製品で補おうとすると、エネルギー過多になる可能性があります。
葉物野菜や小魚・海藻類などのカルシウムを多く含む食品を積極的に取り入れましょう。
ほかにも、たんぱく質を含む肉や魚・卵・大豆製品や、マグネシウムを含む種実類・魚介類・未精白の穀類納豆や葉物野菜にはビタミンKが多く、きのこ類にはビタミンDが豊富です。
骨の健康に必要なすべての栄養素を1種類だけで十分に摂れる食品は無いので、普段の食事では上記の食品を上手に組み合わせてとり入れるとよいですね。

骨の健康は若いうちから意識しておくと、将来の怪我のリスクを下げ、シワやたるみの予防・姿勢を美しく保つことにも繋がります。
日々の食事をチェックして骨の健康に関わる栄養素を摂りましょう!

Text by はむこ/食育インストラクター