日本では多くの方が白米を主食としていますよね。
なかには玄米や五分づき米を食べる方もいると思います。
今回はそんなお米のお話です。
【日本で稲作が始まったのはいつ?】
日本に稲作が伝わったのは、約6000年前の縄文時代前期です。
中国から北九州地方に伝わったといわれています。
とはいえ、最初は主食といえるようなものではありませんでした。
その後、稲作の普及にともない人々の生活は狩猟・採集から、農耕中心へと変化していきました。
また、田植えの時期に雨が多いことや、同じ田んぼで毎年作れるので、国土の狭い日本にあっていたことなどから、稲作が日本に定着しました。
誰でもお腹いっぱい食べられるようになったのは、第二次世界大戦後でした。
【お米の種類】
世界中で生産されている米は大きく分けると、ジャポニカ米・インディカ米・ジャバニカ米の3つに分けられ、世界のほとんどの地域でインディカ米が栽培されています。
インディカ米は中国南部・タイ・アメリカ南部など、広い地域で栽培されています。
細長い形状が特徴で、炊くとパサパサとしてカレーやピラフなどに使われます。
一方、私たち日本人が食べている米はジャポニカ米です。
ジャポニカ米は日本を始め、朝鮮半島・中国東北部などで栽培され、短くて丸みのある形状と、炊くと粘りとツヤが出るという特徴があります。
ジャバニカ米は生産量が少なく、ジャワ島やアジアの熱帯地域、中南米などのごく一部で栽培されています。幅が広く大粒な形状とあっさりとして粘りのある味が特徴です。
【お米を作るだけじゃない田んぼの魅力】
まず、米を作るための田んぼにも稲を作るだけではなく、人や環境などにさまざまな大切な役割を果たしています。
まず、大雨に雨水を一時的に溜め、洪水や土砂崩れを防ぐ役割があります。
さらに、田んぼの水面や稲から水分を発散することで空気を冷やしたり、メダカやカエルなどさまざまな生き物のすみかにもなっています。
【お米は太る?】
お米は消化吸収がよく、栄養価が高いです。
体を動かすエネルギー源となる炭水化物をはじめ、筋肉やホルモンのもととなるたんぱく質やビタミン・ミネラルが含まれています。
「お米は炭水化物が多いので太る」というイメージがあるかもしれません。
ですが、これには少し誤解があります。
お米の主成分は炭水化物ですが、ビタミンB群・カルシウム・鉄などダイエットに不足しがちな栄養価の底上げができます。
さらに、お米に含まれる糖質は砂糖と同じものではありません。
ブドウ糖に分解される前は「デンプン」であり、消化吸収は緩やかで血糖値も急上昇しにくいといわれています。
また、注目したいのが「レジスタントスターチ」。
お米のデンプンに含まれ、ごはんを冷やすことで増える成分です。消化吸収しにくいため、腹持ちがよく、ダイエットをサポートします。
「お米は太る」のではなく、ほかの食品と同様に「食べ方によっては太ることもある」ということです。
なので、さまざまな食品と組み合わせて食べ方の工夫や食べるタイミングを意識してみてはいかがでしょうか?
近年日本人の米離れが進んでいます。
このお話を読んで、お米のすばらしさを知っていただければよいなと思います。
Text by あお/食育インストラクター