和食を食べるとき、さまざまな器が登場しますよね。
器にはどんな種類があるのか、食べるときのマナーについてご存知ですか?
今回はそんな日本の器についてお話したいと思います。
【和食器の種類】
和食器は洋食器に比べて形や大きさもさまざまですよね。
何に使うかわからないものもあるのではないでしょうか?
- 汁椀・・・味噌汁やお吸い物などに使う、口径12㎝程度の椀。漆器やウレタン塗装などがあります。
- 中皿・・・五寸皿・六寸皿・七寸皿といわれるもので、15~21㎝の日常によく使われる大きさのお皿。
- 小皿・・・三寸皿・四寸皿の直径10㎝前後のお皿。取り皿・醤油皿・薬味皿など使い方はさまざまです。
- 小鉢・・・皿よりも深みのある器を鉢といいます。小鉢の深さは、皿が少しカーブしているくらいの浅い物から、深さのあるものまで多種多様です。
- 角皿・・・お刺身や天ぷらなどを盛り付けるのに適している正方形の四方皿や焼き魚や前菜などを盛り付ける長皿のことです。
- 土瓶・・・取っ手のつるが上についているものでお茶を入れる道具。急須と似ていますが、急須は取っ手が横についているものです。
【和食器のマナー】
私たちが普段食事をするとき、お茶碗や汁椀などの器はほとんどの場合手に持ちますが、すべての器を持ち上げてもよいのでしょうか?
- 手のひらより小さい器は「持ち上げる」
- 逆に手のひらよりも大きい器は「持ち上げない」
- 小鉢やお茶碗は「持ち上げる」
- 肉・魚などがのっている平皿・大皿は置いたまま食べる
- 器を持ってから箸を持つ
このように和食器のなかでもさまざまなルールがあります。
でも、世界では器を持ち上げて食べることがマナー違反になる国もあります。
ほかの国に行く際は、気をつけましょう!
【陶器と磁器の違い】
よく聞く「陶器」と「磁器」ですがなんとなく違いは分かるけれど、どう違うのか難しいですよね。
陶器と磁器の違いは原料の土の成分や焼き方の違い、そして焼き上がりにあります。
<陶器とは>
- 陶土とよばれる粘土が原料
- 焼成温度が1000~1300℃
- 爪ではじくと鈍い音がする
- 吸水性が高い
<磁器とは>
- 長石や珪石などガラス質を含む石を砕いたものが用いられる
- 焼成温度が1200~1400℃と高い
- 爪ではじくと高い音がする
- 透光性がある
【日本各地の焼き物】
日本にはさまざまな名前の器があります。
今回はそんな有名な焼き物の一部をご紹介します。
●益子焼(栃木県)
気泡の多い陶土を使い厚手。ぽってりとしたあたたかな手触り。
●九谷焼(石川県)
「九谷五彩」と呼ばれる緑・赤・紫・紺・青の5色の和絵具を使った、鮮やかで大胆な色絵が特徴。
●信楽焼(滋賀県)
たぬきの置物で有名。「火色(緋色)」「ビードロ釉」「蜻蛉の目」が信楽の3大特徴。
●京焼・清水焼(京都府)
京都で焼かれる焼き物の総称。ほかの地域から取り寄せた原料を独自にブレンドし、決まった技法がなく多様なのが特徴。
●備前焼(岡山県)
釉薬を使わないことで、光沢のない土の持つ素朴さが出ている様が魅力。
●有田焼(佐賀県)
日本国内で最初に作られた磁器。耐久性に優れている。ガラスのような透明感のる白磁・繊細な絵付け。
●波佐見焼(長崎県)
職人の分業による大量生産制・白磁を生かしたモダンなデザインが魅力。
いかがでしたか?
日本料理を食べるときは、料理だけではなく器にも注目してみて下さいね。
食事がもっと楽しくなると思います。
Text by あお/食育インストラクター