髪は外見の印象を決める大きな要素のひとつ。
美容を考えるなら、髪を美しくキレイに保ちたいですよね。
今回は髪と栄養についてお話します!
【美髪と言えば海藻??】
「昆布やわかめなどの海藻類を食べると、髪がキレイになる・発毛を促進する」という説を耳にしたことはありませんか?
日本では美髪を表す言葉に「からすの濡れ羽色」という言葉があるように、ツヤのある黒髪が素晴らしいものだと考えられていました。
海藻類は黒くてツヤがあり、濡れた状態の黒髪を連想させたため、髪にもよい効果があると思われたのかもしれません。
しかし、体によいイメージがある海藻だからといっても、食べていれば美髪になるかどうかは別の話です。
毛髪の主成分はケラチンで、主にたんぱく質からつくられています。
海藻類にはたんぱく質が含まれていますが、肉や魚・卵・乳製品などの動物性食品や、植物性の大豆製品などと比較すると少なく、海藻類だけで一日に必要な分のたんぱく質を摂るのは難しいのです。
また、髪をつくるときに関わる栄養素には亜鉛・ビタミンB2・B6などの栄養素がありますが、海藻類だけでこれらの栄養素を補えるほどではありません。
海藻は低エネルギーで食物繊維が多い食品です。
美髪を目的にして食べるというよりは、お腹の中をキレイにするなど普段の健康を維持するために、常識的な範囲で食事にとり入れていただくのがよさそうですね。
【印象が一気に老け込む…!?白髪問題】
髪の気になる悩みとして、よく挙げられるものに白髪があります。
白髪があると印象が老けて見えるので、早いうちからケアしたいですよね。
白髪の原因は髪の色のもとであるメラニン色素をつくる細胞(メラノサイト)の働きが低下するためです。
これは加齢により起こることが多いので、年齢を重ねるごとに白髪が生えるのは自然なことです。
しかし、白髪ができるかどうかには遺伝的な要因も関わっていて、個人差が大きいのも特徴です。
また、加齢とメラノサイトの働きのメカニズムは完全に解明されていないこと、白髪が生えること自体は病気ではないことから、白髪を元に戻す薬などは今のところ発明されていません。
白髪のケアをするときは、まず白髪を増やさないようにすることがポイントです。
白髪の生える原因は遺伝的なもののほかに、ストレスや栄養不足が挙げられます。
髪の毛は内臓などの器官と異なり、無くても生命維持に関わる部分ではありません。
そのため、栄養不足のときにはほかの重要な臓器の方に栄養を送るので、優先度の低い髪の毛はあと回しになるのです。
つまり、栄養不足は髪の毛の状態を悪化させ、白髪が増える原因になります。
【美髪・白髪予防のために摂っておきたい食品とは?】
美髪にせよ白髪予防にせよ、基本としては良質なたんぱく質を十分に摂ること。
そして、ビタミンB群や、亜鉛などが不足しないようにすることを目指しましょう。
発毛に関わるビタミンB2はレバー・卵・大豆製品・乳製品などに豊富で、B6はかつお、まぐろなどの魚類・肉類・バナナなどに豊富です。
亜鉛は広く魚介類に含まれるほか、肉類にも多いので、これらの食品を食事にとり入れてみましょう。
また、髪の色のもとであるメラニンの生成に関わる栄養素として、アミノ酸のチロシンがあります。
たけのこの水煮や納豆に白い塊として付着していることがある成分で、乳製品や大豆製品に比較的多く含まれます。
もちろん、髪によいからと言って食べ過ぎは禁物です。
日々の食事で少しずつ召し上がることを目指してみてください。
キレイな髪の毛は若々しさや健康的なイメージに繋がります。
栄養をきちんと摂り、規則正しい睡眠やストレスケアを適切に行うことで、髪の毛の悩みが起こるリスクが抑えられます。
髪の毛の状態が気になったときは、生活習慣のチェックも忘れず行いましょう!
Text by はむこ/食育インストラクター