「しっかりした体づくり」を支える食事とは?骨の健康編

心身を健やかに保つために、栄養バランスの整った食事が必要なことはよく知られています。
でも、一言でバランスといっても、栄養素が体のどこに関わるのかを細かく考えるのは難しいですよね。
今回は体を支える骨の健康に欠かせない栄養素と、その栄養素を補給できるレシピをご紹介します。

【骨をつくる栄養素とは?】

人間の体を建物に例えると、骨は柱や梁などの建物そのものの形を保っている部分に相当します。
つまり、骨が弱く・もろいのは、柱がボロボロで倒壊のリスクが高い建物と同じぐらい危険な状態。
子どもから大人・シニアの方まで、元気に立って活動するためには、健康な骨の存在が欠かせません。
家屋の柱は木材や金属が主な材料ですが、人間の体で骨の材料になる主な栄養素は、たんぱく質(コラーゲン)です。
筋肉や皮膚をつくるイメージが強い栄養素ですが、骨の健康にも関わっているのですね。
そして、「骨と言えば?」でイメージされることが多いカルシウムも、骨を形づくる大切な栄養素です。
新しい骨をつくるときは、まずコラーゲンがつくられ、そこにカルシウムが定着してできています。
建物で考えると、コラーゲンが鉄筋で、カルシウムはコンクリートのような役割だといえます。
両方が揃うことで、丈夫な骨ができあがります。

 【カルシウム不足な日本人】

骨に必要なたんぱく質とカルシウム。
このうち、日本人に不足しがちなのがカルシウムです。
カルシウムは体の中で吸収されにくいミネラルなので、積極的に摂るようにしたいですね。
カルシウムといえば乳製品のイメージが強いですが、それだけで1日分のカルシウムを補おうとすると脂質やエネルギーが高くなります。
今回は乳製品を使わないカルシウムレシピとして、切り干し大根を使った和え物をご紹介します。


【切り干し大根のごまポン酢和え】

<材料(4人分)> 調理時間:30分
切り干し大根・・30g
きくらげ・・3g
ツナ缶(油漬け)・・1缶
きゅうり・・1本
パプリカ・・1/6個
塩・・少々
Aポン酢しょうゆ・・大さじ2
A白練りごま・・大さじ1・1/2
A砂糖・・小さじ1/2

<作り方>

  1. 切り干し大根・きくらげはそれぞれたっぷりの水で戻し、水気をしぼる。
    きくらげは1分ほど湯通しし、千切りにする。
  2. ツナ缶は油を切ってほぐしておく。
  3. きゅうりは種を取って2~3mm幅のななめ薄切りにする。
    パプリカは長さを半分に切り、2~3mm厚の細切りにする。
    塩を振って5分おき、余分な水気をしぼる。
  4. ボウルにAを合わせ、(1)・(2)・(3)を入れてよく混ぜ合わせる。

<ポイント>

  • お好みで青しそやみょうがを入れると、より風味豊かに召し上がれます。
  • よりヘルシーにしたい場合は、ツナ缶を水煮タイプにすることで脂質が抑えられます。
    水っぽくなりやすいので、しっかり水気をしぼってからご使用ください。

【このレシピの栄養のポイント】

  • 切り干し大根やごまはカルシウムが多く、乳製品へのアレルギーがある方でも召し上がれます。
  • ビタミンDの多いきくらげやツナと一緒に食べることで、カルシウムの吸収率が高まり効率がアップします。
  • ツナのたんぱく質はコラーゲンの材料になります。
    また、きゅうりやパプリカに含まれるビタミンCはコラーゲンをつくるときに使われる栄養素です。

骨の健康を守ることは、生涯に渡って自立した生活を送るための大切な要素のひとつ。
必要な栄養素をきちんと食事から摂って、「しっかりした体づくり」に役立てましょう!

Text by はむこ/食育インストラクター