ぽっこり突き出たお腹まわり…食べていないのにたるんだお腹の話

ダイエットで食べる量を減らして体重が落ちたはずのに、なぜかお腹だけがぽっこり突き出ている…?
実はスタイルよく見せるには、体重を減らすだけではうまくいかないことがあるのです。
今回は突き出た下腹の原因とボディメイクについてのお話です。

【ぽっこり下腹の原因とボディメイク】

ダイエットを始めると行き当たる壁のひとつに、体重は順調に落ちているのに、ぽっこりお腹が目立ってしまうパターンがあります。
食事制限のみでダイエットをしている人はこの事態に陥るケースがあり、より厳しい食事制限をしようとすることも…。
でも、体重が落ちているのなら、原因は食事ではなく、お腹を支えるインナーマッスルが減っているからかもしれません。

インナーマッスルとは体のあちこちを動かしている普通の筋肉とは別に、臓器や骨盤の位置を固定し、支えている筋肉のことです。
食事制限のみのダイエットでは体内の筋肉量が落ちるため、インナーマッスルが減ります。
すると、内臓が支えられずに下の方に位置がずれ、下腹が圧迫されて出っ張ってしまいます。
さらに、この状態は内臓の動きも悪くなるので、便秘や肌荒れの原因に繋がるリスクもあります。

自分の体調と相談しながら定期的に食事内容を見直すことは、美容のためにとてもよい習慣ですが、ただエネルギーを減らせばよいというものではありません。
体を支える骨格やインナーマッスルを維持できるように、糖質・たんぱく質・脂質のバランスがよい食事を目指しましょう。
もちろん、定期的に体を動かしたり、軽度なトレーニングを取り入れることも忘れないようにしたいですね!
筋肉は脂肪よりも重いので、きちんと食べて運動していると体重が増えることがあります。
しかし、引き締まり均整のとれた体つきになるので、姿勢がよくなって服を着こなしやすくなるなどの美容的なメリットがあります。
また、基礎代謝量も高くなるので、痩せやすい体になります。
健康上の問題が無く、医学的な肥満状態(BMI25以上)でなければ、やみくもにダイエットをして体重を減らす!よりも、鏡で自分の体つきをチェックしながら引き締まったボディラインをつくる!を目標にすると、美容の面でよい効果が得られますよ。


【体型維持・何をどれだけ食べていいの?】】

まずは糖質(炭水化物)・たんぱく質・脂質をきちんと摂ること。
特に、主要なエネルギー源になる糖質と、筋肉をつくるたんぱく質は不足なく摂っておきたいところです。
厚生労働省の食事摂取基準(2020)では、身体活動が低い群であっても、成人女性は1日に1700kcalほどを必要としています。
そして、摂取エネルギーのうち、50~60%は糖質を由来にするとバランスがよくなります
1食当たりで考えると、大体70g程度の糖質を摂る必要があります。
ごはん茶碗一杯分(150g)で53.4gなので、おかずや調味料の分を考えても、このぐらいの量の主食は摂っておきたいですね。

たんぱく質は、身体活動レベルの低いグループでも成人女性は1日当たり57~88gの摂取を目標量としています。身近な食品にあてはめて考えると、例えば皮つきの鶏むね肉では1食で90g、1日では270gほど食べる必要があります。
また、一度にたくさん食べるのではなく、1食ごとに肉・魚・卵・大豆製品などを使った主菜を食べた方が、効率的に筋肉をつくります。
なお、肉・魚類は食べる部位によって脂質の量が増えるので、普段自分が好んで食べている部位のたんぱく質と脂質の量をチェックしておくと、よりバランスよく食べられるようになります。
体に必要なエネルギーを含むとはいえ、脂質は食べ過ぎるとエネルギー過多になりがちなので、お腹周りを引き締めたいときにはバラ肉や魚のトロなどはほかの部位に変更するとよいですよ。

お腹周りは肋骨のように内臓を支えてくれる骨がないので、ここを引き締めるためには適度な運動と食事で、自分で筋肉をつけることが大事です。
体重を変動させるダイエットと比べると、成果が出るまで少し時間はかかりますが、鏡で見たときにスタイルがよくなっていくと嬉しいですよね☆

Text byはむこ/食育インストラクター