こどもの日の5月5日、実は「わかめの日」でもあるのです!
今回はそのわかめについてのお話です。
【どうして5月5日は「わかめの日」なの?】
定められたのは今から30年以上前の1983年。
5月初旬は新わかめの収穫がひと段落し、新鮮な新わかめが市場に出回る時期になります。
やわらかくておいしいうえ、栄養たっぷりのわかめの素晴らしさを知ってほしいと、印象に残りやすいこどもの日、5月5日を「わかめの日」としたのだそうです。
【わかめの歴史】
日本でわかめは縄文時代から食べられていたといわれており、亀ヶ岡遺跡(青森県)から縄文土器と一緒に発見されています。
また、飛鳥時代の大宝律令では税のひとつとして定められていました。
奈良時代の万葉集にも海藻についてのうたが多く載っていることから、古くから日本人との結びつきが強い食材だという事が分かりますね。
【わかめの産地】
わかめ養殖生産量日本一は宮城県(三陸わかめ)です。
岩手県(三陸わかめ)、徳島県(鳴門わかめ)も高い生産量を占めています。
三陸わかめはほかのわかめに比べると葉の切れ込みが深く、大きいところが特徴的です。
一方鳴門わかめは茎が短く歯ごたえがしっかりしているのが特徴になります。
【わかめの種類】
- 板わかめ・・わかめの葉を広げて重ね、乾燥させて板状にしたもの。
- 素干しわかめ・・わかめを乾燥加工したもの。
- 茎わかめ・・わかめの茎の部分でコリコリとした食感が特徴。
- カットわかめ・・塩抜きした湯通し塩蔵わかめを細かくカットし、乾燥させたもの。家庭で一般的に使われているもの。
- 塩蔵わかめ・・わかめを湯通ししてから、冷水で冷却し、塩蔵したもの。
【気になるわかめの栄養】
わかめは食物繊維やミネラルを豊富に含む食材です。
●フコイダン
海藻が外敵から身を守るため保持しているネバネバ成分で、昆布やモズクにも多く含まれています。
フコイダンには抗ピロリ菌作用や免疫活性効果があります。
●ヨウ素
ミネラルに分類される栄養のひとつで、甲状腺ホルモンの成分になり基礎代謝を高める効果があります。
基礎代謝が上がるとエネルギーの消費量も増えるので、痩せやすく太りにくい体になります
●アルギン酸
体内のナトリウムと結びついてナトリウムを排出し、血圧の上昇を防ぐ働きや動脈硬化予防などに働きます。
天然の食物繊維として知られています。
●マグネシウム
歯や骨を生成するのに必要不可欠なミネラルでホルモン分泌を促す働きがあります。
●食物繊維
消化吸収や血糖値の上昇をゆるやかにすることで肥満や生活習慣病の予防効果・腸内環境を整え、便秘予防も期待できます。
このようにわかめは体の調子だけではなく、美容にも効果的な海藻です。
【なぜわかめの色が緑に変わるの?】
海から採りたてのわかめは褐色ですが、湯通しすることで、鮮やかな緑色に変化します。
これは、わかめが赤い色素(フコキサンチン)と緑色の色素(クロロフィル)を持っているからです。
わかめの持っている赤い色素(フコキサンチン)が熱によって失活し、緑色の色素(クロロフィル)の色が現れるため湯通しすると緑色になるのです。
【本当にわかめを食べると髪の毛が伸びるのか】
誰でも一度は「わかめを食べると髪の毛が伸びる」と聞いたことがあると思います。
ですが、結論から述べると毎日わかめを食べても髪の毛が伸びるのは早くなりません。
残念ながら医学的にまだわかめと髪の毛の成長スピードの根拠は証明されていないのです。
【乾燥わかめの食べ過ぎには注意!】
栄養もたっぷりでおいしく、最近はおやつでも乾燥わかめがありますが、食べ過ぎると胃の中で乾燥わかめが水分を含んで膨れてしまうことがあります。
そうなると、胃痛が起きたり、吐き気を催すことがあるので食べ過ぎないようにくれぐれも注意です。
いかがでしたか?
わかめは栄養豊富で低カロリーな食材です。
5月になりおいしいわかめが出回る季節。
おいしい今の時期にぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
Text byあお/食育インストラクター