ふと思い出すとなんだか懐かしくなる学校給食。
今回は給食の人気メニューにランクインすることの多い、揚げパンについてのお話です。
【始まりは残り物!?】
揚げパンは昭和27年、東京の大田区の小学校で生まれました。
風邪で学校を休んだ生徒に栄養をつけてもらおうと、残ったパンで作られたのがきっかけだったそうです。
現在では衛生的な側面から、休んだ生徒に給食を届けることはありませんが、当時の給食は子どもたちの栄養状態を改善するために必要な存在でした。
高温で揚げることで保存性が高まり、さらにかたいパンでも食べやすくなること、また、砂糖をまぶすのでエネルギーが高くなるなど、当時できる精一杯の工夫が凝らされた一品だったことがうかがえます。
その後、給食でも提供されるようになり、人気メニューのひとつになりました。
コッペパンを揚げて砂糖をまぶすのが定番ですが、地域によってはきな粉やココア味タイプを提供していたり、ねじりパンで作るタイプ(※ツイストドーナツのような形になります)などもあり、さまざまなバリエーションがあります。
【揚げパンは未知の味?】
人気の給食メニューランキングなどで、ほぼ必ず名前が載る揚げパン。
しかし、提供されるかは地域差が大きく、一度も食べたことが無い、という方もいらっしゃいます。
発祥が東京都のため、関東地方では提供されることが多かったそうですが、そのほかの地域ではまちまちのようです。
また、主食としては高エネルギーなことや、米飯給食の推進により、パン給食そのものが少なくなっていることなども関係して、揚げパンは採用されなくなりつつあるとか。
給食で揚げパンをよく食べていた、という方はラッキーだった…という日が来るのかもしれませんね。
【給食風揚げパン(きな粉味)】
<材料> 調理時間:50分(発酵時間を除く)
強力粉・・100g
A砂糖・・15g
A米粉・・5g
Aドライイースト・・1.5g
A塩・・1g
ぬるま湯・・30g
牛乳・・30g
バター・・10g
揚げ油・・適量
きな粉・・大さじ2
砂糖・・大さじ1
<作り方>
- パンを作る。
ボウルに強力粉・Aを入れる。砂糖とイーストは同じ場所に入れる。 - ぬるま湯・牛乳を入れ、全体がまとまるまで混ぜる。
- 台の上に取り出し、表面がなめらかになるまでしっかりこねたらバターを入れてさらにこねる。
丸めてボウルに入れてラップをし、35℃のオーブンで40分発酵させる。 - ガスを抜いて4等分に丸め、濡れ布巾をかぶせて10分休ませる。
- 麺棒で楕円に伸ばし、中央に向かって三つ折りにする。
さらに半分に折って生地の端をつまんで閉じ、40℃のオーブンで2倍くらいの大きさになるまで、20分程度発酵させる。 - 牛乳(分量外)を塗り、180℃のオーブンで15~20分焼く。
- 200℃の揚げ油で(6)を片面20~30秒ずつ揚げ、表面がカリッとしたら取り出す。
- 温かいうちに砂糖・きな粉をまぶす。
<ポイント>
- 揚げるときに油の温度が低いと失敗しやすくなります。
油の温度が下がらないように、大きめの揚げ鍋を用意するか、ひとつずつ揚げるのがおすすめです。 - ココア味で作りたい場合はきな粉をココアパウダー小さじ2に変更してください。
- ツイストタイプにする場合は(5)の成型時に20cmほどに伸ばしてねじり、継ぎ目をしっかり閉じてください。
今回のレシピではモチモチ感を出すために少量の米粉を配合した生地で作りました。
生地から作る時間が無ければ、市販のコッペパンを使用してもよいですね。(※レシピのコッペパンは市販のものより小さめに仕上がります)
給食での提供が少なくなっているので、懐かしの再現レシピとして、家族みんなのおやつとして召し上がってみてください☆
Text byはむこ/食育インストラクター