皆さんは、ご自分の爪をこまめにチェックしていますか?
爪は、健康のバロメーターとしても機能し、体調不良や栄養が足りないときなどには肌が荒れるのと同じように、爪の色や形に変化が起きます。
今回は、爪の健康について考えていきたいと思います!
【「健康な爪」ってどんな爪?】
かたくて表面がなめらか、また薄く透き通ったピンク色の爪が健康的と言えます。(加齢とともに爪が厚くなり、薄茶色になることもあります)。
しかし、さまざまな原因により、爪が変形したり色が変化したりします。
爪に起こりやすい症状別に、その原因をみていきましょう。
●割れやすい、欠ける
爪が縦に割れた状態を「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」といい、爪の根元まで割れている場合と爪の先端のみ割れている場合があります。
爪は、水仕事による乾燥や除光液の使用などで爪の水分が失われたり、妊娠や授乳、加齢によって、爪の主成分であるたんぱく質「ケラチン」が不足すると、もろくなって割れやすくなります。
爪甲縦裂症の原因ははっきり分かっていませんが、甘皮とも呼ばれる「爪上皮(そうじょうひ)」の異常によって起こることがあります。
爪甲縦裂症は、ステロイド含有外用薬を用いて治療しますが、改善しない場合は爪の根元に腫瘍がある可能性も考えられます。
●2枚爪になる
医学的には「爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)」といいます。
爪の先端の表面が薄く層状にはがれます。
原因としては、爪の割れ同様、爪の水分量の低下や栄養不足が関係します。
水分が失われた爪の先に爪切りなどで大きな力が加わると、2枚爪を生じやすくなります。
そのため、夏よりも、空気が乾燥する冬に多くみられます。
また、鉄欠乏性貧血が原因で起こることもあります。
●爪に縦線(筋)が出る
一般的によくみられる症状です。
爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)とも呼ばれます。
加齢が原因となるため、20代では目立ちにくいことが多いですが、50代ごろから増加し、症状が目立つようになります。
老化現象のひとつなのであまり心配する必要はありませんが、進行すると爪が縦に割れやすくなります。
●爪がでこぼこしている
波を打つように、爪の表面に横方向の溝ができている状態を「波板状爪(洗濯板状爪)」といいます。
健康な人にも起こりうる症状で、爪母(爪の根元を包みこんでいる部分)を覆う皮膚をほかの指でおさえる癖がある人に多く、特に手の親指によくみられます。
【丈夫な爪を育てるには、どんな栄養素がおすすめ?】
丈夫な爪を育てるには、質のよい睡眠やストレスの緩和、規則正しい生活のほかに、食事も重要になります。
爪の健康には、以下の栄養素がおすすめです。
●たんぱく質
爪の主成分は、「ケラチン」というたんぱく質です。
体内に入ったたんぱく質は、まずは筋肉や臓器などへ優先的に運ばれます。
髪や爪は優先順位が低く、たんぱく質不足の影響が出やすい部位といえます。
たんぱく質は、動物性(肉や魚、牛乳・乳製品など)と植物性(大豆・大豆製品など)をさまざまな食品からバランスよく摂るようにしましょう。
●ビタミンA
皮膚や粘膜を守るほか、ケラチンをつくるためにも欠かせない栄養素です。
また、皮膚や爪の乾燥を防ぐ役割をしています。
ビタミンAは、人参やほうれん草などの緑黄色野菜、レバーなどに多く含まれています。
●鉄
皮膚や爪の潤いを保ち、丈夫にするコラーゲンの生成には、鉄が不可欠です。
生理のある女性は、鉄が不足しがちなので積極的に摂るよう心掛けましょう。
食品に含まれる鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。
「ヘム鉄」はレバーや赤肉、赤身の魚などの動物性食品に、「非ヘム鉄」は小松菜や菜の花、納豆などの植物性食品に多く含まれています。
【爪の切り方にも注意!】
切るときに強い力が加わると、爪がダメージを受けやすくなります。
爪を切るのは、入浴後など爪がやわらかくなっているときがおすすめです。
左右のバランスを見ながら少しずつ切り、形を整えましょう。
最後にやすりをかけておくと、見た目がきれいになるだけでなく、爪に物が引っ掛かるのを防げますよ。
爪は、指先の保護や微妙な感覚などにおいて重要な役割を担っています。
日ごろあまり爪を見ないという方も、日々伸びて変化している爪のサインを見逃さないよう気をつけましょう☆
Text byろい/食育インストラクター