「出産後」に気を付けたい食事のポイント

赤ちゃんが産まれ、いよいよ本格的なママとしての生活が始まります。
そこで今回は出産後に気をつけて欲しい、食事のポイントをご紹介します。

【産褥期(さんじょく期】

出産後すぐ元の体型に戻ると思っていたら・・・。
あれれ??と思った方も多いのではないでしょうか。
実は出産後しばらくは妊娠5~6カ月かと思うほどおなか周りはポッコリとし、元の体型へと戻るには、2カ月くらいかかるとされています。
この期間を「産褥期」といい、とくに食事から栄養をしっかりと摂って体を十分に休めて欲しい期間でもあります。
また産褥期は、ママの体の回復と同時に母乳を作る作業も始まっています。
産まれるまではへその緒を通して赤ちゃんに栄養を送っていましたが、これからは母乳でその栄養を赤ちゃんへと届けます。
母乳はお母さんの血液から出来ているので、妊娠中同様、食事に気をつけなくてはいけない時期です。


【出産後・授乳期の食事

赤ちゃんが産まれたあとも、ママの体は自分や赤ちゃんのためにいろいろと機能しています。
食事をとる上で大切なポイントを以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

〇たんぱく質
たんぱく質はママの体の回復に必要な栄養素で、摂取目安は1日あたり70g程度です。
おすすめはささ身のような高たんぱく質、低脂肪な食材です。
脂肪分の多い食材はエネルギーの摂りすぎや授乳中のトラブルも起こりやすくなるので控えめに。

〇脂質
脂質の多い揚げ物などはおいしいですね。
妊娠中我慢したから出産後は思いっきり楽しみたい!!と思っても、ちょっと待って!!!
脂質を多く摂りすぎると、おっぱいが詰まって乳腺炎を引き起こしやすいので、揚げ物のほか、脂肪分の多い肉や調味料・乳製品は引き続き控えめにしましょう。

〇ビタミン・ミネラル類
ビタミンやミネラルは免疫力を高めたり、体の回復や血液循環を良くする働きがあるので、意識して摂りたい栄養素です。
とくに鉄分・葉酸は血液を作るために必要な栄養素で、貧血予防にも効果的です。
葉酸は子宮が回復するのにも関わります。
鉄分や葉酸が多く含まれる食材は、レバーやアサリ・納豆・枝豆・ほうれん草など。

そのほか、母乳に不足しがちなビタミンKや免疫力を高めるビタミンA・C・E、体力回復を助けるビタミンB12・骨を作るのに大切なカルシウムなど、さまざまなビタミン・ミネラル類がありますが、これらは緑黄色野菜・海藻・魚などをバランスよくとることで補えます。

〇水分
水分は体にとってとても大切です。
赤ちゃんが母乳を飲んでいる場合、通常よりもさらに急速にママの体の水分が失われていきますので、カフェインやアルコール類の入っていないお茶などで、のどと体を潤しましょう。
また、同時に食物繊維も意識して摂ると、便秘予防になります。
ちなみにカフェインは少量なら問題ないとされていますが、出産した病院の先生などに相談してから飲むようにしてください。
アルコールは母乳を通して赤ちゃんに取り込まれてしまうので、授乳中の飲酒はNGです。

〇刺激物
からいものをたくさんとると母乳の味が変化するといわれていて、赤ちゃんが飲まなくなることに繋がる場合があるので、食べたいときは少量にするなど気をつけて。

〇お菓子より果物・寒天ゼリーなど
洋菓子・和菓子ともに高カロリーです。
とくに洋菓子は脂質が高く、種類によってはアルコールを含むものもあるので注意しましょう。
お菓子は日常的に食べるのではなく、ご褒美的な位置づけにし、普段は果物や寒天ゼリーのような食物繊維が多いものがおすすめです。

 いかがでしたか。
赤ちゃんが産まれて1日目は、ママ1日目でもあります。
分からないことや、うまくいかないことがあって当然。
ママとしてしっかりしなきゃ!と頑張りすぎると、体や心に負担がかかってしまうので、無理をせず出来る範囲をやればいいんです!
最初は戸惑うことも多いですが、自然と赤ちゃんがいる暮らしに慣れ、日常として生活していけますので、焦らず周りの力も借りてママライフを楽しんでくださいね。

Text byさゆり/食育インストラクター