日本の自然災害発生率は世界でもトップクラス!
いつ何時災害に遭ってもおかしくないので、備蓄食品を用意している方は大勢いらっしゃると思います。
そんな備蓄食品ですが、長期保存できるがゆえに、味や食感はいまいち…というものもいくつかあります。
今回はそんな食品を、調理器具が少なくてもおいしく食べられる方法をご紹介します!
【備蓄食品の定番、乾パン】
乾パンは市販の非常用持ち出し袋に必ず入っているといっても過言ではないほど、定番の備蓄食品です。
一般的には缶詰の中に、氷砂糖と一緒に入っていることが多いですね。
栄養価から考えると、すぐエネルギーになる糖質が多いため、救助・救援を待つための当座しのぎという意味合いが強いように思える食品です。
缶を開ければすぐ食べられ、箸やフォークも必要ないため、本当に何もない状態でも食事をとることができる、優れた備蓄食品です。
しかし、長期保存を想定しているため、乾パンそのものは可能な限り水分を除いて作られています。
食べてみると、クッキーやビスケットとは比べ物にならないほどかたく、噛みごたえのある食感が特徴です。
味も簡素で、食べ慣れていないと面喰ってしまうかもしれません。
もちろん、非常事態のときに味を気にしていられるほどの余裕はないかもしれませんが、小さなお子さんやシニアの方など、乾パンをそのまま食べるのは難しい方もいらっしゃいます。
そんなときは、清潔なビニール袋に入れて乾パンを砕いて使うのがおすすめです。
湯が使える状態なら、耐熱ビニールにマシュマロやチョコレートを入れて湯煎で溶かし、砕いた乾パンと和えて冷ますことで、即席のクランチチョコやソフトクッキーに早変わりします。
チョコレートやマシュマロは高温に弱い食品ですが30℃ほどで溶け始めてしまうチョコレートより、マシュマロの方が備蓄に向いています。
ただし、冬場などで気温が低いときは、チョコレートの方が扱いやすい場合もあるので、一概にどちらがよいというものではありません。
また、少し情勢が落ち着いてきて、火やフライパンなどの調理器具が使えるようになってくるころには、乾パンよりも温かいものやしっかりした食事が食べたくなりますよね。
とはいえ、災害の程度によってはライフラインの復旧に時間がかかることも少なくありません。
野菜などの洗浄には大量の水が必要になるため、本格的な料理をするのはまだまだ難しい…。
そんなときにも、砕いた乾パンは利用できます。
【乾パンお好み焼き風】
<材料> 調理時間:15分
乾パン・・1缶(100g)
卵・・1個
お好みの漬物・・15g
サラダ油・・適量
<作り方>
- 乾パンはビニール袋などに入れ、麺棒などをつかって塊がなくなるまでくだく。
- 卵を溶きほぐし、(1)に入れてよく混ぜ合わせる。
全体になじんでまとまったら刻んだ漬物を入れる。 - フライパンにサラダ油を入れて火にかけ、温まったら(2)を入れて、焼き色がつくまで両面焼く。
<ポイント>
・衛生的な観点で切りものを避けたい状況なら、初めから刻んであるタイプの漬物を利用すると安心です。
また、漬物の塩分で食べられるレシピなので、酸味のある漬物よりは、しっかり塩味の効いたものの方が向いています。
・手に入れば刻んだ野菜なども一緒に入れると、より栄養バランスが整います。
備蓄食品にも賞味期限があるので、定期的に新しいものと取り替える必要があります。
古い乾パンと取り替えたときなどに、砕いた乾パンを使った調理にチャレンジしてみると、いざというときの食事のマンネリ化の防止にも役立ちますよ。
氷砂糖などが入っている場合は、調味料として使うと無駄がありません。
結晶化しているので砂糖よりも持ち運びやすく、野外での調理の時に役立ちます。
また、氷砂糖は乾パンよりも保存期間が長いので、開封したからと焦って食べる必要は無いことも、覚えておくとよいですね。
日本のどこに住んでいても、災害と無関係ではいられません。
もしものときがあることを想定して、災害の無いときにこそ準備しておきましょう!
Text byはむこ/食育インストラクター