ほろ苦い味がたまらない!!お正月のおせちに欠かせない「くわい」の話

縁起のよい食材として、お正月のおせち料理にも欠かせない「くわい」
今回は、独特のほろ苦さとホクホクとした食感が魅力のくわいについてご紹介します。

【くわいの種類を知ろう!

くわいは中国が原産地と言われ、日本へは平安時代ごろに伝わったとされています。
ピンポン玉くらいの丸い塊茎(かいけい)からピンっと1本芽が伸びているのが特徴で、その姿から「芽(目)が出る」という理由で縁起物として用いられています。

くわいには、「青くわい」、「白くわい」、「吹田くわい」の3種類があり、日本では、皮が青みがかっている青くわいが多く出回っています。
白くわいは中国の品種で、中華料理ではこのシャキシャキとした白くわいが多く使われています。
吹田くわいは、古くから大阪府吹田で栽培されている品種で、なにわの伝統野菜のひとつとされており、小ぶりなことから「姫くわい」とも呼ばれています。

くわいの生産は、埼玉県と広島県で全体の約90%を占めています
9月ごろから収穫がはじまりますが、正月料理などに使われることから11~1月ごろに多く収穫され、その時期が旬と言われています。
実は、このくわいを食用としているのは日本と中国だけのようで、世界でみるとあまりなじみのない野菜なのです。

【おいしいくわいの見分け方

くわいを選ぶときには、芽がピンとしていてハリがあるもの、丸く膨らんだ塊茎がかたく、傷のないものを選びましょう。
数日で使う場合には、乾燥しないよう袋に入れ、冷蔵庫で保存してください。
より長持ちさせたいならボウルなどに水を張り、その中につけて冷蔵庫に入れておくとしばらく日持ちします。
ただし、こまめに水をかえるのを忘れずに!

くわいは、煮物、炒め物、揚げ物などさまざまな料理に活用できますが、アクが強いので、アク抜きが必要です。
皮をむいたらすぐに水にさらし、お湯で1~2度ゆでこぼしてから料理につかうことで、えぐみがおさえられます。
ただし、揚げ物やまるごと焼く場合には、ゆでこぼす必要はありません。
くわいは基本的に芽も食べることが出来ます。
縁起ものですので、ハレの日の料理には、ぜひ、切り落とさずに使ってくださいね。

【くわいの栄養

くわいの主な成分は炭水化物ですが、そのほかにもカリウムや葉酸、食物繊維などが含まれています。
カリウムは余分なナトリウムを排出し、高血圧予防やむくみ予防に役立ちます。
葉酸は胎児や乳児の発育に欠かせないもので、妊娠初期に積極的に摂っていただきたい栄養素です。
食物繊維は便秘予防や解消のほか、生活習慣病予防にも役立ちます。


【くわいがあまったら…。くわい揚げ餅

煮物や素揚げなどにしてよく食べられるくわい。
「たまには違う味を楽しみたい!」
そんなときに、くわいを使ったお菓子を作ってみてはいかがですか?

<材料> 調理時間:40分
くわい・・正味100g
上新粉・・25g
砂糖・・10g
ぬるま湯・・25g~
こしあん・・80g
揚げ油・・適量

<作り方>

  1. くわいは皮をむき、蒸し器で十分にやわらかくなるまで蒸し、熱いうちにザルで裏ごしする。
  2. ボウルに(1)・上新粉・砂糖を入れ、ゴムベラなどでよく混ぜる。
  3. (2)にぬるま湯を少しずつ加え、耳たぶくらいのやわらかさになるまでよく練る。
  4. (3)の生地、こしあんを8等分にし、生地でこしあんを包み、丸める。
  5. フライパンに1~2cm程度揚げ油を入れ、150℃に温め、(4)を入れる。
    転がしながら全体がきつね色になるまで3~4分揚げる。
    ※はねる場合があるので、注意して揚げてください。

蒸し器がない場合には、くわいを耐熱容器に入れ、くわいの半分くらいの高さまで水を入れて電子レンジで4~5分加熱してもOKです。

この時期ならではの旬の味覚「くわい」。
くわいならではのほろ苦い味、ほっくりとした食感をさまざまな料理で楽しみましょう!!

Text by まち/食育インストラクター