子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回は「細胞を若返らせる」・「成長促進」効果が期待できる水溶性のビタミンB2についてご紹介します。
【水溶性ビタミンとは】
水溶性ビタミンはビタミンB群(B1・B2・B6・B12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチン)・ビタミンCです。
その名の通り、水に溶けやすい性質を持っています。
脂溶性ビタミンのように体内に留まる事はなく、摂取し過ぎた場合は尿と共に体外へ排出されます。
過剰摂取による人体への影響はあまりないとされていますが、サプリメント等を用いられている方は食事とのバランスも考えながら摂っていきましょう。
【ビタミンB2】
ビタミンB2は牛乳の中から発見されたビタミンで、栄養ドリンクによくある蛍光の黄色はこのビタミンに由来します。
ほとんどの動物・植物に存在しており、我々の体にも含まれます。
水溶性ビタミンの中では水に溶け出る率が低く、熱にも比較的強いので、調理による損失が少ないのも特徴です。
しかし光に弱いので、ビタミンB2を多量に含む食品はあまり光に当てずに食べたり保存するといいですよ。
効能は「脂質を中心に炭水化物・たんぱく質の代謝促進」「成長促進」「皮膚や粘膜を正常に保つ」等です。
ビタミンB2は体外に排出されやすいので過剰症が起こりにくいビタミンです。
欠乏すると口の中にオデキのようなものが出来る「口内炎」やニキビなどに代表される皮膚表面のオデキ「脂漏性皮膚炎」、子どもの場合は「成長障害」が起こる事が報告されています。
多く含む食品はレバーや牛乳・うなぎ・青背の魚(塩鯖・鰤等)・納豆・卵・チーズ・魚肉ソーセージ・モロヘイヤ・クレソン等です。
【相性の良い組み合わせ】
下記に組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。
☆レバー×緑黄色野菜(人参やニラ等)
・・・レバーはビタミンB2の他、鉄分等も豊富な食材です。
ビタミンB2は主に脂質の代謝に関わる栄養素なので、炒め物にすると効率良く使われます。
そこでおススメなのがレバニラ。
人参やニラを合わせれば、β-カロテンやビタミンCも一緒に摂れるので、体の調子を整えてくれます。
レバーはクセがあるので苦手な方も多いですが、しょうゆ・酒・おろし生姜等で下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げる(焼き揚げでも)と、臭みも軽減出来、食感も弾力が出るので食べやすくなります。
☆納豆×ご飯
・・・炊き立てご飯に納豆をかけて食べるのも良いですが、納豆チャーハンはいかがでしょう。
納豆を炒める事により、独特の粘りや臭いが減ります(調理中は少々においますが…)。
色々な具材を入れて炒めれば栄養満点!
炒め油の脂質・ご飯の炭水化物・納豆のたんぱく質があるので、体内に入った時にビタミンB2がしっかり働きます!
仕上げに納豆のパックについているタレか醤油を回しかけてあげると、香ばしさがプラスされ、より美味しいです。
☆魚肉ソーセージ×ほうれん草
・・・魚のすり身を使って作る魚肉ソーセージ。
あまり知られていませんが、ビタミンB2やカルシウムが豊富です。
カルシウムは100g当たり100mgと牛乳とさほど変わらない量を摂る事が出来ます。
ほうれん草はβ-カロテン、カリウム、食物繊維を多く含む食材です。
魚肉ソーセージと一緒に炒め、お弁当や朝食に添えてはいかがでしょう。
味付けは魚肉ソーセージに塩分があるので、こしょうで調える程度でもOK。
ほうれん草はカリウムを豊富に含むので、体内の余分なナトリウムを体外に出すサポートもしてくれます。
☆モロヘイヤ×ごま・アーモンド
・・・ビタミンB2のほか、カルシウムやβ-カロテン、鉄分など、様々な栄養素をまんべんなく含むモロヘイヤは王様の野菜として古代エジプトやアラブ諸国では昔から食べられてきた食材です。
ごまやアーモンドは悪玉コレステロールの低下が期待出来る不飽和脂肪酸を豊富に含む食材。
ビタミンB2がしっかり働き、身体に良い油脂分が多いので、一石二鳥です。
胡麻和えやアーモンド和えにし、副菜として食卓に出してみましょう。
食べなれない方も多いモロヘイヤですが、癖がなく、茹でると粘りが出るので、のどごし良く頂けます。
モロヘイヤは刻んでカレーやスープの具材にもピッタリ!
食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物質が含まれています。
今回は、その中でもビタミンB2含有量が多い食品をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から摂るよりも、幅広い種類から摂ると自然とバランスもよくなります。
色々な要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)
Text by さゆり/食育インストラクター