こどもごはんを考える~組み合わせで効率よく栄養を摂る方法⑥ビタミンB1~

子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回は体を動かすために必要なエネルギーの生産に関わったり、粘膜や神経の機能を正常に保つ水溶性のビタミンB1についてご紹介します。

【水溶性ビタミンとは

水溶性ビタミンは、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチン)・ビタミンCです。
その名の通り、水に溶けやすい性質を持っています。
脂溶性ビタミンのように体内に留まる事はなく、摂取し過ぎた場合は尿と共に体外へ排出されます
過剰摂取による人体への影響はあまりないとされていますが、サプリメント等を用いられている方は食事とのバランスも考えながら摂っていきましょう。

【ビタミンB1

ビタミンB1はご飯やパンといった炭水化物が体内に入り、分解されて体を動かす(エネルギーになる)過程を助ける補酵素として働く栄養素です。
効能は「粘膜や神経細胞を正常に保つ」「疲労回復」「食事で摂った糖質をエネルギーに変換する(体を動かす力に変える)」などです。
ビタミンB1は体外に排出されやすいので過剰症が起こりにくいビタミンといわれています。
欠乏すると足のしびれやむくみを引き起こす「脚気」やだるさを感じる「倦怠感」、中枢神経が蝕まれる「ウェルニッケ脳症」を引き起こす恐れがあります。
多く含む食品は豚肉や米(玄米や胚芽精米)・うなぎ・きのこ類・種実類・豆製品等です。


相性の良い組み合わせ

組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

☆豚肉×ニラ・玉ねぎ
・・・豚肉に含まれるビタミンB1はニラや玉ねぎに含まれる硫化アリルを一緒に摂る事で吸収率が上がります。
どちらも水溶性のビタミンなので茹でると外に出てしまいます。
豚肉は蒸すか焼くなどし、ニラは刻んで醤油タレに入れる、玉ねぎは薄くスライスして使うなど、生食にしたり、炒め物に
茹でる場合はサッとにし、手早く取り出すといいでしょう。
スープにすると溶け出た栄養も摂取可能ですが、熱に弱いので、仕上げに加えるのがポイントです。

☆玄米・胚芽精米×ネギ
・・・玄米・胚芽精米はビタミンB1が豊富なだけでなく、精白米(白米)に比べ、食物繊維やたんぱく質・脂質・無機質等が多く、栄養豊富です。
ネギに含まれる硫化アリルはビタミンB1の吸収を高めます。
また、ネギはビタミンCも含むので、火を通す際はサッとにすると効率よく栄養素を摂る事が出来ます
おススメはチャーハン
卵やチャーシューなど、たんぱく源となる物を一緒に入れ、仕上げにネギを加えて軽く炒めれば出来上がり!
玄米はご飯として頂くほか、玄米パン等に加工されていますので、サンドイッチにして様々な食材を挟んで食べるのもいいですね。

☆うなぎ×ご飯×ぬか漬け
・・・スタミナ食の定番うなぎはビタミンB1以外にたんぱく質・ビタミンA・E・B群が豊富。
ビタミンB1は糖をエネルギーに変換する役割があるので、糖質であるご飯とうなぎを一緒に食べると、体内でビタミンB1がしっかりと使われ、体を動かす源になります。
うな丼やうな重を注文すると付いてくる漬物。
様々な種類がありますが、ビタミンB1が豊富なぬか漬けは一緒に食べると効果的です。
うなぎが苦手な方は卵とじにすると食べやすくなりますよ。

☆ナッツ(種実類)×小麦粉
・・・アーモンドやカシューナッツ・マカダミアナッツなどが該当するナッツは種実類に分類され、比較的ビタミンB1が豊富な食材です。
クッキーやタルトなどのお菓子に使えば、美味しくいただきながらビタミンB1を効率よく使えますね。
ただし、お菓子はバターなどのエネルギーが高い食材もたくさん使うので、食べ過ぎには注意です!

食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物質が含まれています。
今回は、その中でもビタミンB1含有量が多い食品をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から摂るよりも、幅広い種類から摂ると自然とバランスもよくなります。
色々な要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)

Text by さゆり/食育インストラクター