こどもごはんを考える~組み合わせで効率よく栄養を摂る方法②ビタミンD~

子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回は歯や骨を丈夫にする脂溶性のビタミンDについてご紹介します。

【脂溶性ビタミンとは

脂溶性ビタミンはビタミンA(レチノール)・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKです。
その名の通り、油脂類に溶けやすい性質を持っています。
体にとって大切な栄養素ですが水溶性ビタミンと比べて体内に留まりやすいので、通常の食事に加え、サプリメントを取られている方は、過剰摂取に気を付けましょう。

【ビタミンD

ビタミンDは前駆体であるエルゴステロールという成分が紫外線に当たる事で生成されます。
効能としては「歯や骨の成長を促す」「カルシウムの吸収を高める」「血液中のカルシウム濃度の調整」などです。
ビタミンDは体内でも生成されますが、生成量が少ないうえ、高齢になると生成自体が難しくなるので、日光浴をするほか、食事からの摂取が望ましいです。
ビタミンDは野菜や穀類には含まれず、肉類も微量なので、キノコや魚介類から摂取します。
過剰に摂ると「嘔吐」や「腎障害」「高カルシウム血症」が起こるほか、「のどの渇き」や「目の痛み」といった症例も報告されています。
乳児が過剰に摂ると、成長が遅れる事もあります。
欠乏すると、「骨粗鬆症」、子どもの「成長障害」「くる病(骨変形)」などを発症します。
多く含む食品はキノコ類・いくら・いわしの丸干し・さんま・しらす等です。


相性の良い組み合わせ

組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

椎茸×豆鯵
・・・椎茸は使う前に少し天日に当てておくと、ビタミンD含有量がUPします。
小さな鯵が手に入らない時は、おろした後の中骨をしっかりと揚げる事で骨せんべいとして食べる事が出来ます。
ビタミンDは脂溶性なので、豆鯵をカリカリに揚げ、椎茸や野菜をたっぷり入れたあんをかけた「甘酢あんかけ」はいかがでしょう。
酢もカルシウムの吸収を促し、野菜は緑黄色野菜を使う事でβ-カロテンも摂れます。

☆しめじ×木綿豆腐
・・・しめじは椎茸同様、少し天日に当ててから使うと、ビタミンDの含有量がUPします。
豆腐は、絹より木綿の方がカルシウム量が多く、約1.5倍含まれます。
また、木綿豆腐は牛乳と比較しても牛乳の約80%に当たるカルシウム量を含みます。
乳製品のアレルギーをお持ちの方は豆腐等の大豆製品を召し上がるといいですね。
しめじ、豆腐、ワカメやアオサ海苔などの海藻類を合わせた「中華風のスープ」はいかがでしょう。
子どもはごま油、大人はラー油でピリッと仕上げれば、油脂類も摂れておススメです!

☆きのこ×乳製品
・・・カルシウムの宝庫、乳製品は同時に脂質も摂れる食品です。
複数のきのこを使って「クリームスープ」はいかがでしょう。
じゃが芋や人参、ブロッコリーなどを一緒に入れれば、ビタミンC・β-カロテンも摂れます。
また、鱈やササミといったたんぱく源を加えておかずスープにしたり、トロミを付ければシチューとしてもいただけます。

☆キクラゲ×豚肉
・・・キクラゲはビタミンDと同時にカルシウムも豊富な食材です。
そこに豚肉を加えると、良質なたんぱく質、疲労回復に効果的なビタミンB1が多いので、成長期の体をたくさん動かす子どもにピッタリ!
ほかの食材もたくさん入れて「八宝菜」にしたり、和風のとろみ炒め等にして、ご飯や麺と一緒にいかがでしょう。

食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物質が含まれています。
今回はその中からビタミンD含有量が多い食品をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から摂るよりも、幅広い種類から取ると自然とバランスもよくなります
色々な要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)

Text by さゆり/食育インストラクター