こどもごはんを考える~組み合わせで効率よく栄養を摂る方法①ビタミンA~

子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回は免疫力を高める脂溶性のビタミンA(レチノール)についてご紹介します。

【脂溶性ビタミンとは

脂溶性ビタミンにはビタミンA(レチノール)・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKがあります。
その名の通り、油脂類に溶けやすい性質を持っています。
体にとって大切な栄養素ですが水溶性ビタミンと比べて体内に留まりやすいので、通常の食事に加え、サプリメントを取られている方は、過剰摂取に気を付けましょう。

【ビタミンA(レチノール)

ビタミンAは動物性食品のレチノール植物性食品のα-カロテン・β-カロテンなどがあります。
レチノールは体内でそのまま使用され、カロテン類は必要に応じて体内でレチノールに変換されます。
効能は、「目や皮膚、粘膜の働きを正常に保つ」「免疫力を高め、風邪予防や抗がん作用に役立つ」などです。
過剰摂取になると吐き気や頭痛等を引き起こします。
また、妊娠初期に摂りすぎると、胎児の発育に影響が出る事があるとされています。
逆に不足すると暗い所で目が良く見えない「夜盲症」を引き起こしたり、免疫力が下がる事で、体調を崩しやすくなります。
前述で妊娠初期に摂りすぎると、胎児に影響が出ると記しましたが、成長期の子どもの不足は発育に影響が出る事も確認されています。
多く含む食品は、レバー類・卵黄・ウナギやアナゴ・モロヘイヤ・トマト・人参・みかん・海苔等です。


【相性の良い組み合わせ

組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

☆ビタミンA(レチノール)を含む食品×油類
脂溶性ビタミンなので、炒め物をはじめ、揚げ物・サラダ等、油脂類と併せて取ると吸収率が良くなります。
油脂類も、オリーブオイルやエゴマオイル、アマニオイルといった油自体に体に良い効果がある物も多いので、お好みで使い分けてみて下さい。
ただし、油脂類はカロリーも高いので、摂り過ぎには注意しましょう。

人参×さつま芋
人参のβ-カロテンに、さつま芋のビタミンC・Eの組み合わせは、肌の調子を整え、強い身体を作ります。
さつま芋のビタミンCは熱に強いので、かき揚げなどはいかがでしょうか。

☆トマト×肉類
トマトのβ-カロテンと肉類のたんぱく質で免疫力アップ
トマトはβ-カロテン同様、抗酸化力の高いリコピンが豊富。
リコピンも油との相性が良いので、炒め物やドレッシングをかけてサラダもおすすめです。

豚レバー×ニラ
レバーはビタミンA、ニラはβ-カロテンが豊富。
その他、豚レバーは鉄、ニラはアリシンやビタミンCも含むので、免疫力を高め、疲労を回復するのにピッタリです。
定番のレバニラは油を使用するバッチリな調理法!
ニラはビタミンCを壊さないために、仕上げにサッと加えるのが理想的です。

☆モロヘイヤ×ごま
モロヘイヤはβ-カロテンのほか、鉄やビタミンK等も豊富に含む栄養たっぷりの野菜です。
あまり食べたことがないという方も多いのではないでしょうか。
加熱するとヌメリは出ますが、味にクセがなく、お浸しや炒め物にすると美味しいです。
ごまに含まれる脂質はリノレン酸やリノール酸・オレイン酸といった今注目の不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防・血液をキレイにするなどの効果が期待出来ます。
モロヘイヤは茹でるとカサが減るので、たっぷりのごまと合わせた胡麻ポン和え等がさっぱりとして食が進みます。

いかがでしょうか。
食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物が含まれています。
今回は、その中でもビタミンA(レチノール)含有量が多い物をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から取るよりも、幅広い種類から取ると自然とバランスもよくなります。
色々な要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)

Text by さゆり/食育インストラクター