主食と言えば、パンやうどん、パスタなど現在では様々なものがあげられますが、日本人の主食で一番に思いつくのは「ごはん」ではないでしょうか?
今回は私たちの食生活に欠かせないお米の、歴史についてのお話です。
【日本の風土にあった作物「米」】
「小麦」「トウモロコシ」と並んで「世界三大穀物」とされている「米」。
その米の歴史は古く、日本では縄文時代後期から食べられ、弥生時代には稲作が本格的に始まったとされています。
弥生・奈良時代には既に、もち米、うるち米の2種が食べられていましたが、当時は今の食べ方と違い、米を水でドロドロに煮たものを食べるのが普通でした。
稲作が始まった理由として挙げられるのが、それまで狩猟や採集、漁猟に頼っていた人々が、人類の増加や気候の変化によって食糧難となり、より確実に食料を確保するためだと考えられています。
そして、日本の気候が稲の栽培に適していることや、長期保存できること、さらに日本人の味の好みによく合った食べ物であることから栽培が進み、のちに主食として食べられていくようになりました。
【お米がお金の代わり!?今よりも貴重であった昔のお米】
平安時代になると、現代のご飯に近い「強飯(こわいい)」と「姫飯(ひめいい)」と呼ばれるものが出てきましたが、一般の人が食べる事はほとんどなく、主に食していたのは上流階級の人でした。
今のようなご飯の炊き方が広まってきたのは、江戸時代中期からと言われています。
しかし、このご飯を食べられたのも、まだ上流階級の人だけでした。
それは、当時の米作りの収穫量が今と比べものにならないほど少なく、そのお米も農民は年貢として納めなくてはならなかったので手元に残るのはわずかでしかないため、普段はアワやヒエなどの雑穀を食べたりし、貴重な米は節句や大切な行事のときに食べていました。
【世界におけるお米の種類】
小麦、トウモロコシに比べて世界での生産量が最も少ない米ですが、東アジア、東南アジア、南アジアをはじめ、ヨーロッパやアフリカ、アメリカと世界各地で栽培されています。
米は大きく分けて「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の3つに分けられ、世界のほとんどの地域で「インディカ米」が栽培されています。
インディカ米は、インドや台湾南部、中国南部などで栽培されています。
見た目は細長く、炊くとパサパサするので、汁気の多い料理や炒め物などに向いています。
私たち日本人が多く食べているのが、「ジャポニカ米」です。
ジャポニカ米は日本以外に、朝鮮半島や中国北部などで栽培されています。
粒は丸みを帯び、炊くと比較的粘りがあるのが特徴です。
「ジャバニカ米」はジャワ島やインドネシア、イタリアやスペインなどで栽培されています。
形や粘りはインディカ米、ジャポニカ米の中間で、あっさりとした味なのでリゾットやパエリアに向いています。
今回は米の歴史のお話でしたが、次回は日本の米の特徴やおいしいごはんの炊き方をご紹介します。
Text by まち/食育インストラクター