これからの季節に欠かせない野菜といえば「白菜」です。
どんな鍋物にも合う万能選手といった感のある野菜ですが、生で食べても特別な効果を発揮する野菜なのはご存知ですか?
【えっ!?日本の野菜じゃないの!?】
日本の冬の食卓を支える白菜ですが、実は元から日本にあった野菜ではなく、渡来してきたもの。
しかも、国産のものが栽培されるようになってからまだ100年ほどしか経っていないのだそうです。
原産は諸説あり、地中海沿岸とする説、中国北部とする説がありますが、いずれにしても日本に持ち込まれたのは中国を経由してのこと。
それ以前にも渡来したことはあったようなのですが、当時は育成や交配が難しく、根付かなかったと考えられています。
【生でも食べてみよう】
白菜はキャベツやキュウリと同じく、淡色野菜に分類されています。
水分の含有率も高く、エネルギーが低い反面、それほど多くの栄養素は含まれていない…と考えられがちです。
確かに、にんじんやかぼちゃなどと比べてしまうと同じ量を食べた時の栄養価は低いのですが、白菜は柔らかく、加熱でかさが減るため、たくさんの量が食べられるという利点があります。
また、アブラナ科特有の成分であるアリルイソチオシアネートも含まれています。
舌を噛んでしまいそうなこの物質、わさびの辛み成分の1種でもあり、殺菌作用や抗がん作用が期待されています。
白菜を生で食べると僅かに辛味を感じることがあるのはこのためです。
しかし、アリルイソチオシアネートには1つ大きな弱点があります。
それは加熱に弱いことです。
わさびならそのまま生で食べるのが普通ですが、鍋物に使われることの多い白菜では、その効果を得るのは難しいのです。
今回のタイトルが「鍋物だけでは勿体ない!」になっているのはこれが理由なのです。
白菜は生のまま食べても柔らかく、ほのかな甘味があるのが特徴です。
ごまやシーザーのような濃厚なドレッシングとの相性も抜群なので、冬にサラダを作るならぜひ加えて頂きたい野菜です。
アリルイソチオシアネートの殺菌作用で、風邪予防にも効果的ですよ。
加熱すればたくさん食べられ、生のままならいろいろな効果も得られます。
厳しい冬を乗り切るのに役立つ白菜、いろいろな料理に使ってあげてみてはいかがでしょう?
Text by はむこ/食育インストラクター