「免疫力アップさせると、なんか良いことありそう♪」と思いますよね。
ここ数年、免疫力をアップさせる食材に注目が集まっていますが、何かを食べれば劇的に良くなることは、残念ながらありません。
でも、体本来の役割を考えながら、良い習慣を身に着けることで、免疫力をアップさせることは可能です。
【免疫力とは】
免疫の仕組みを深く知ると人体の構造の素晴らしいシステムに感動します。
どういう仕組みか簡単に説明すると、風邪のウイルスや食中毒の原因となる菌が体内に入った時に異物を取り除こうとします。
この力を免疫力と呼び、健康を維持するためには欠かせないシステムです。
免疫は生まれたときから持っていたものと、生活していく中で獲得した力があり、これらは日々の生活習慣で強化することも弱ってしまうこともあります。
では、どうしたら強化できるのかというと、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、腸内環境を整えて善玉菌を増やすほか、異物と闘う細胞をよい状態に保つことを目指すのが近道です。
【えっ!細胞がよい状態ってなに?】
免疫に関わる細胞を白血球と呼び、細かくみると「感染した細胞を見つけて指令を出すT細胞」など様々な性質を持つ細胞に分けられます。
それぞれがよいバランスを保つことが大事なのですが、ここでは総称の白血球としてみていきましょう。
では、白血球がよい状態を保つにはどうすればよいかというと、自律神経を整えることが重要となります。
自律神経というのは人間の意志でコントロールできません。
その代わり、意識しなくても運動をするなど「活発に動くときは交感神経」が優位に、「休息する時は副交感神経」が優位に働き、それぞれに合った動きをするよう体内に指令を出しています。
でも、これらは不規則な生活やストレス、運動不足などにより崩れがちです。
【免疫力をアップさせるために】
自律神経を整えることが最初の一歩です。
つまり、一定の時間にバランスの取れた食事をして睡眠をしっかりとり、適度に運動をするなどしてストレスをためないことが大切です。
何かひとつだけ行動してみたり、ひとつの食材を食べれば劇的に変化することはありません。
色々なこと、例えば腸内環境を整える働きのある食物繊維を多く含む食材を食べて副交感神経が働くよう心掛けたり、免疫細胞を傷つける活性酸素を抑えるようビタミンCやビタミンEなど抗酸化作用のある食材を毎日バランスよく食べることなどを同時に行うことはプラスに働くでしょう。
また、血行をよくして白血球などの流れをよくするよう、体を温めると言われる食材を摂り入れてもよいかもしれません。
ただ、注意したいのは、免疫力には個人差があるということです。
先ほど、ウイルスや菌など異物が入ってきた時に退治しようと働く力が免疫力だと言いましたが、人間にとって敵だと判断すると攻撃して、有効なものは受け入れるのが免疫の働きです。
この力は、ひとりひとり違うため、花粉症になる人とならない人、食物アレルギーになる人とならない人がいるのです。
つまり、同じことをしても結果が同じにならない可能性があることは覚えておきましょう。
日々の生活の中で、少しずつできることから取り入れて、免疫力アップを目指していきたいですね。
Text by ゆず/食育インストラクター