お子さんがいるご家庭では、必ずと言って良いほど冷蔵庫の中に入っている「牛乳」。
そのまま飲むだけでなく料理にも幅広く使えるので、重宝される食品の1つですよね。
今回はその牛乳についてのお話です。
【牛乳のタイプを知ろう!】
牛乳は牛からしぼった乳(生乳)を熱で殺菌したもののことで、水や他の原料を加えたり、成分を減らすことは出来ず、「無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上」と決められています。
一般的に牛乳として売られているものは、この「成分無調整」タイプです。
また、他にも「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、乳脂肪分の違いや添加原料の有無などの違いでいくつかのタイプに分類されています。
※無脂乳固形分とは、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分のことです。
●成分調整牛乳
原材料である生乳から水分・脂肪分・ミネラルなどの成分の一部を取り除いたもの。
乳脂肪の一部を取り除いた「低脂肪牛乳」や、ほとんどの乳脂肪分を除去した「無脂肪牛乳」などがあります。
●加工乳
無脂乳固形分は牛乳と同じ8.0%以上で、生乳または乳製品を原料とする乳成分を加えたもの。
脱脂粉乳などを加えて脂肪分を少なくしたタイプと、クリームやバターなどの乳製品を加えて味を濃厚にしたタイプがあります。
●乳飲料
生乳または乳成分を主原料に、乳製品以外のものを加えたもの。
果汁やコーヒー、甘味などを加えたものや、鉄やビタミン、カルシウムなどを増やして栄養成分を強化したものがあります。
【マグネシウム豊富な○○と一緒に食べて吸収率アップ!】
一般的に体内で吸収されにくいと言われているカルシウムですが、牛乳に含まれるカルシウムは魚や野菜などと比べて吸収率が高いのが特徴です。
それは牛乳に含まれるたんぱく質の一種「カゼイン」と、牛乳のほんのりとした甘さのもとである「乳糖」がカルシウムの吸収促進を助けてくれるからです。
さらに、マグネシウムが豊富な小松菜と一緒に食べることで、カルシウムの吸収率がアップ!
牛乳は温めても栄養成分に変化がないので、スープやパスタ、グラタンなどにして一緒にいただきましょう。
【カルシウムだけじゃない!?牛乳の嬉しい効果】
牛乳は鉄やビタミンC、食物繊維の含有量はほんのわずかですが、その他のたんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。
牛乳特有のたんぱく質である「ラクトフェリン」は、免疫力を高めたり、鉄の吸収を促してくれます。
また、必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」はメラトニンというホルモンの生成に働き、不眠改善や老化防止などに期待できます。
「乳糖」は腸内細菌のエサとなって善玉菌の増殖を促し、腸の働きを整え、便秘予防・改善に役立ちます。
【なぜ牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするの?】
「牛乳を飲むとお腹が痛くなるのはなぜだろう?」と思ったことはありませんか?
単純に冷たい牛乳を一気飲みしてそれが刺激になって痛くなったり、下痢をしてしまったりという人もいるかと思います。
ただ、それが原因でない場合は、乳糖を分解する「ラクターゼ」という分解酵素が腸内に少ないか、その働きが弱いからかもしれません。
その場合には、温めた牛乳を飲んだり、少しずつ牛乳を飲んだり、それでもという人はチーズやヨーグルトなどで乳酸菌を摂取することで改善が出来るそうです。
お菓子や洋食でよく使われるイメージがある牛乳ですが、最近では和食でも使われるようになってきています。
牛乳を加えることで、うま味やコクが加わるので調味料の使う量を減らすことが出来、減塩にもつながるのでおすすめですよ!
Text by まち/食育インストラクター