当たりか?はずれか?辛いしし唐に当たる理由

梅雨が明けると夏本番!
陽の光をたっぷり浴びた夏野菜が美味しい季節です。
今回は夏野菜のひとつ、「しし唐」の辛さの秘密に迫ります。

【名前の由来】

しし唐はナス科トウガラシ属の野菜で、ピーマンやパプリカと同じ「甘み種」に属します。
しし唐は漢字で書くと「獅子唐」と書きます。
先端のくぼみが獅子の口のように見える事から名付けられたそうです。
名付けた人は想像力豊かですね。

【基本は辛くない】

しし唐はトウガラシの仲間ですが、甘み種に属し、基本的に辛くありません。
ですが、どういうわけかたまに辛いものにあたりますね。
これは生育時期や栽培環境・自然交配による偶然の産物等が要因と考えられています。
季節的には夏場に辛い物が増えるといわれ、また、半分に切った時に種が密集し、詰まった物も辛い傾向にあります。
傾向がわかっても完璧に見分けられるわけではないので、なるべく辛いものにあたらない事を願うばかりです。
しし唐と同じ甘み種には、ピーマン・パプリカ・京都特産の「万願寺唐辛子」があります。
その他、京都特産の「伏見甘長」も辛みの少ない品種です。


 【効能】

しし唐はビタミンCや体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富に含まれます。
ビタミンCは疲労回復や肌の健康を保つほか、メラニン色素の沈着を防ぐ作用があるので、夏場のシミ・そばかす対策に一役買ってくれます。
ビタミンCは熱に弱いとされていますが、しし唐に含まれるものは加熱による損傷を受けにくいので、揚げ物・炒め物にしても摂取しやすいです。
β-カロテンはビタミンAが不足すると、その不足分だけを補うように体内で生成され、免疫力向上や皮膚・粘膜の機能を正常にして丈夫にしてくれます。
優れた抗酸化作用があるので老化防止効果も期待できます。

 【おすすめの食べ合わせ】

<しし唐+鶏肉>
しし唐のβ-カロテン・ビタミンCと鶏肉のたんぱく質はしなやかな血管をつくり、動脈硬化予防に効果的です。

<しし唐+豚肉>
しし唐のビタミンCと豚肉に含まれるビタミンB1は疲労回復効果が期待できるので、夏バテ予防に役立ちます。

<しし唐+レバー>
しし唐のビタミンCとレバーの鉄を一緒に摂ると、鉄の体内での吸収率が上がります
加熱による損傷が少ないしし唐のビタミンCはおススメです。

<しし唐+ウナギ>
しし唐のβ-カロテン・ビタミンCとウナギに含まれるビタミンEは一緒に摂る事で皮膚や臓器の老化防止効果が高まります。

旬の今は安くて美味しい物が手に入る時期ですので、様々な料理に利用して下さい。

Text by さゆり/食育インストラクター