おせち料理や寿司ネタなど、数の子を目にする機会もあるとは思いますが、数の子にも旬があり、まさに今が旬!
また、数の子はなんの卵なのか、ご存知でしょうか?
【黄色いダイヤモンド】
数の子の親の正体は、「ニシン」。
ニシンの子が、どうして「数の子」というの??
そもそもニシンのことを頭の角張ったイワシと見立て「カドイワシ」と呼ばれ、その「カド」の子であるため「カドの子」⇒「カズノコ」、また卵の数が多いことから「数の子」の字があてられるようになったといわれています。
ニシンの産卵期は3~4月とされ、今がまさに旬。
天日干しや塩漬けに加工され、一年中手に入るために旬が分かりづらいかもしれませんね。
価格は高く、黄金色をしているところから、「黄色いダイヤ」とも呼ばれています。
【おせち料理と数の子】
お正月にいただくおせち料理には、それぞれに込められた意味や願いがあります。
ニシンは「二親(にしん)健在」に通じ、数の子は卵の数が多いことから、子宝と子孫繁栄を願う縁起物とされています。
いまやおせち料理には欠かせない数の子ですが、正月料理に登場するのは江戸時代。
享保の改革によって倹約を進めたことで知られる8代将軍、徳川吉宗の発案といわれています。
せめて正月のごちそうだけは貧富を問わず、みんなで同じものを食べて、年の初めを祝いたいという想いから選ばれました。
この頃の数の子は、水で戻す「干し数の子」が主流で、塩漬け数の子が登場したのは明治30年代といわれています。
【子持ち昆布もニシンの子だった】
子持ち昆布とは、ニシンが昆布に卵を産み付けたものを塩漬けにしたものです。
天然に生えている昆布からなる子持ち昆布は、数が少なく貴重。
そのため、ニシンの産卵期を狙って自然の昆布を海中に用意し、ニシンにぶつけるように追い込みます。
すると、ニシンはぶつかってきたものに対して産卵行動を起こす性質を持つため、昆布に産卵する、というワケです。
ニシンの卵は粘着性が強いため、昆布によく付着するそうです。
人が手作業で卵を付けているのではなく、自然の性質を利用して作られているとは驚きです!
みなさんいかがでしたか?
食通としても有名な北大路魯山人の著書に、「数の子を歯の上に載せてパチパチプツプツと噛む、あの音の響きがよい。もし数の子からこの音の響きを取り除けたら、到底あの美味はなかろう。」と記されています。
数の子は音を食すもの。
歯ざわりを楽しみながら、旬の数の子をぜひ味わってみて下さい!
Text by ナナちゃん/食育インストラクター