一年中、お店の鮮魚コーナーに並んでいるあさりですが、一番おいしいのは春頃で、身が大きくうまみも増えます。
旬の「あさり」を楽しむポイントをご紹介します。
【最大のポイントは砂抜き方法です】
まず、貝が活きていることがおいしく味わうための条件です。
運ばれている間に死んでしまうものもいるので、貝同士をこすり合わせながら水で洗い、臭いをかいでみましょう。
他のものと違う臭いがした貝は取り除きます。
洗った後、海と同じ2~3%塩水で貝殻がすれすれに浸かるようにして砂抜きをします。
水3カップに対して塩大さじ1の割合で混ぜた塩水を作り、あさりを深いバットなどに並べて塩水を注ぎます。
貝の上部が塩水からやや出ている状態まで注いだら、所々に穴を開けたアルミホイルをかぶせて冷暗所に1時間程度おきます。
あまり長い間おくと、独特の濃いうまみも出てしまうので長時間置かないよう注意しましょう。
【こんなに“おいしい”栄養価】
あさりのおいしいうまみは、コハク酸によるもので、昆布のグルタミン酸やかつお節のイノシン酸などとは異なるうま味です。
このほか、あさりにはカルシウムや亜鉛、鉄などが豊富に含まれています。
あさりのように動物性食品に含まれる鉄は吸収されやすいヘム鉄のため、たんぱく質と一緒に食べるとヘモグロビンが造られ、貧血予防につながります。
あさりはお酒を飲む方にもおすすめです。
あさりに含まれるタウリンは肝機能を高め、二日酔い解消に役立ちます。
ただし、タウリンは熱に強く水に溶けやすい性質なので味噌汁や煮物にして汁ごと食べるとよいでしょう。
タウリンは血中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する働きも期待できます。
コレステロールを減らすといわれる食物繊維やβ‐カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどと一緒に摂ると、相乗効果が期待できます。
【効果アップを期待して】
手軽に食べるなら、あさりを器に入れて酒をふり、ラップをかけて電子レンジで貝の口が開くまで加熱すれば、簡単にうま味たっぷりのあさりが味わえます。
でも、さらに効率よく栄養を摂るには菜の花と一緒に食べるのがおすすめです。
菜の花の葉酸とあさりのビタミンB12には造血作用があるので、貧血予防や肌のくすみ予防に期待が出来ます。
あさりと菜の花を蒸し煮にして食べましょう。
このほか、キャベツなどビタミンCが豊富な食材と一緒に食べれば鉄の吸収力がアップします。
あさりとキャベツのガーリック炒めの仕上げに、レモン果汁を搾って食べるとより効果的です。
これから美味しくなるあさりの栄養とうまみを丸ごと楽しみましょう!
Text by ゆず/食育インストラクター