日本には四季折々のお菓子があります。
季節が感じられるお菓子がたくさん並ぶ中、早春を告げる鳥の名前がついた「うぐいす餅」があります。
【秀吉が名付け親!「うぐいす餅」】
1580年代天正のころ、豊臣秀吉の弟である秀長が、秀吉を招く茶会を開く際に、和菓子を作らせました。
このお菓子は、粒あんをもちで包み、きな粉をまぶしたものでした。
秀吉はその菓子をたいそう喜んで、「うぐいす餅」と命名しました。
当時の御菓子屋は、いまでも場所を変えずに鶯餅を作り続けているそうです。
なんとも驚きですね!
【かつてはきれいな緑色をしていなかった】
一般的に売られているうぐいす餅は、きれいな緑色をした粉がまぶされたものが多くみられますよね。
しかし、当時は大豆からできた黄色いきな粉をまぶしたお菓子でした。
次第に、ウグイスの色に寄せたきな粉に変わっていきました。
成熟しても黄色くならない、青大豆を使って、やさしい緑がかったきな粉を使ったものもありますが、もっと鮮やかな緑色のものは通常のきな粉を着色しているようです。
うぐいす餅の老舗では、普通のきな粉が使われています。
【ウグイスとホトトギスは宿敵同士?!】
ウグイスとホトトギスのちがいはご存知でしょうか?
「ホ~ホケキョ♪」と鳴くウグイスは、春を告げる鳥としても有名ですよね。
また、その美しい声から、野球場や選挙カーでアナウンスをする女性はウグイス嬢とも呼ばれています。
ホトトギスは、天下統一をした戦国武将の性質をあらわす歌を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そのホトトギスですが、自分で巣は作らずにウグイスの巣に卵を産み付け、ヒナを育ててもらうそうです。
また、先に生まれたホトトギスのヒナは、ウグイスの卵(またはヒナ)を巣から蹴落としてしまうこともあるようです。
春を告げるお菓子、「うぐいす餅」。
風流に和菓子を嗜むことは、日本人としてありがたいことですね。
今の季節しか食べられない、和菓子をぜひとも楽しんでみてはいかがでしょうか?
Text by ナナちゃん/食育インストラクター