ご飯を炊く時に出る“米のとき汁”、捨ててしまっている方も少なくないかと思います。
実は、とぎ汁は色々と活用できる優れ物だという事を皆様ご存知でしょうか??
今回は知って役立つ、とぎ汁活用法をご紹介します。
【そもそもどうして米をとぐの?】
普段、当たり前のように行なっている米とぎですが、何の為に行なうのでしょうか?
それはずばり!“精米した米の表面についているヌカやゴミを取り除くため”です!
一般的な米(精白米)は玄米から胚芽とヌカを取り除いていますが、表面にはまだ粘着性のある肌ヌカが残っているため、すすぐ程度に軽く洗ってから炊くのです。
【米をギュッギュッととぐのは間違いじゃない?】
よく、『米をとぐ時には優しく』というのを耳にしますが、実は米の状態によってとぎ方は変えた方が良いのではないか?と言われています。
米は精米したときから風味の劣化が始まっていて、収穫後1年以上経ったものは「古米(こまい)」と呼ばれます。
大学の研究では、古米は表面が劣化しているため、ギュッギュッとしっかりといで米の表面を落とすと風味が改善されるという結果が報告されています。
新米や精米したての鮮度の良い米は優しく、鮮度の落ちた古米はしっかりとぐと覚えておくと良いかもしれませんね☆
【こんな使い方も!?とぎ汁活用法】
料理や掃除など様々な活用法があるとぎ汁ですが、今回はその一部をご紹介します。
煮物の下茹でに!
大根や人参・里芋などをとぎ汁で下茹ですることで、独特のえぐみや苦味が取り除かれ、素材の甘味や旨味を活かすことが出来ます。
※料理にとぎ汁を利用する際は、ほこりや汚れが含まれている最初のとぎ汁ではなく、2回目以降のものを使用しましょう。
新品の陶器に!
茶碗や湯のみ・土鍋など、おろしたての際には消毒やアク抜きをしますが、このときに熱湯ではなく、お米のとぎ汁を利用すると長持ちします!
これは土鍋などの陶器の細かい凹凸部分にとぎ汁に含まれる成分が浸透し、それらがコーティングのような役割をしてくれるためだと言われます。
拭き掃除に!
とぎ汁を霧吹きに入れ、床に吹きかけて乾拭きしたり、雑巾をとぎ汁に浸して拭くだけで綺麗になります!
これは、とぎ汁に含まれる「γグロブリン」という成分が界面活性剤の役割をするため、ツヤを出しコーティングして傷つけにくくするためです。
フローリング以外でも、お風呂や洗面台など拭き掃除をする際に色々な場所で利用できます。
日本人になくてはならない食材である米。
そのとぎ汁は環境汚染の原因の1つとも言われています。
今まで何気なく捨てていた方もとぎ汁を上手く活用し、家庭内でリサイクルしてみてはいかがでしょうか?
Text by ろい/食育インストラクター